研究概要 |
1. Fe-Cr-Mn(W,V)合金を527-723Kで10dpaまで電子線照射した結果、(a)ボイドスエリング挙動は溶接熱影響部での耐照射特性は625K照射では優れた特性を示した。しかし,さらに高温度で照射した場合は微細なボイドが核形成し,ボイド抑制効果が顕著でなかった。 2. 同合金を10dpaまで照射した後の結晶粒界におけるCr,Niの偏析は,W,Vの添加しないFe-Cr-Mn合金と比較し,その偏析量は少ないがNiの濃化とCrの枯渇が認められた。 3. Fe-(13-16)Cr-(6.5-24.5)Mn-(0.02-0.2)C-0.2N-(0.3-0.5)Si合金について,熱処理及び電子線照射した結果,次のことが明らかになった。(a)低Mn含有のマンガン合金鋼の単一γ相はCr,C,N濃度を制御することによって得られることが明らかにされた。(b)本研究で開発された,15-16wt%Cr-15.5wt%Mn-(0.02-0.2)wt%C-0.2wt%N合金は,高強度で高い伸びを示す良好な機械的性質を有することが確認された。 (c)ボイド核形成はCrとCの濃度が増大すると抑制され,Fe-16wtCr-15.5wt%Mn-0.2wt%C-0.2N合金鋼では照射温度473-673Kで完全にボイド核形成が抑制された。
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