研究概要 |
(1)日中間で協議の結果,インテリジェントコントローラの適用対象として,大きな無駄時間を含む系として台車-倒立振り子系を選定し,主にこの二つの系に対して,インテリジェントコントローラの構成と性能評価に関する研究を日中共同で行うこととした。 (2)中国側では,大きな無駄時間系を含む系に対して,インテリジェントコントローラが極めて高い制御性能を示すことをシミュレーション実験で確認した。この結果に対して,日本側で,従来の制御方式との差異を理論的に明らかにすることとした。 (3)日本に中国側で開発・作成した,インテリジェントコントローラを持ち込み,無駄時間を含む制御対象に対して評価実験を開始するための準備を行った。制御対象特性を広く柔軟に選択することを可能とするために,実験では,制御対象をディジタル計算機(パーソナルコンピュータ)で模擬することとし,必要なハードウェア,ソフトウェアの整備を行った。 (4)日本側では,計算機上に実現したシミュレータを用いて,人間オペレータが第二間接のみが駆動される平面.2ーリンクアームを所望の位置に移動させる実験を行い,習熟した人間オペレータはこの制御課題を達成できることを見出した。得られた実験結果を基にインテリジェントコントローラを構成し,人間オペレータと同様の制御を行えることをシミュレーションにより確認した。 中国側では,実験用の台車-倒立振り子系を完成させ,人間オペレータによる振り子の振り上げ制御実験を開始した。現在の所,再現性の高い実験結果は得られていないが,ハードウェアの改良等により有用なデータが得られることが期待される。最終的には,習熟した人間オペレータが生成する制御信号から特徴抽出を行い,人間オペレータの操作を模擬するインテリジェントコントローラを構成する予定である。
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