研究課題/領域番号 |
09045043
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
猪岡 光 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20006191)
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研究分担者 |
小野 貴彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20312613)
佐川 貢一 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (30272016)
石原 正 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (10134016)
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キーワード | 人間 / 手動制御 / インテリジェントコントローラ / 台車 / 倒立振り子 / 汎用 / ジョイスティック / 模擬 |
研究概要 |
本研究は、人間の優れた制御能力を利用して複雑な制御対象を効率よく制御することを目的として、人間の制御を模擬する「インテリジェントコントローラ」を発展させ、制御対象の特性が未知あるいは時間とともに変動する場合でも、高度な適応学習機能により高精度な制御が可能な新しいインテリジェントコントローラを開発すること目的とする。 平成11年度は、本年度までに検討してきた新型インテリジェントコントローラのアルゴリズムを用いて、実際のシステムに組み込み、その有効性を確認することを予定した。ここで用いた実験装置は、左右に移動する台車に取り付けた振り子であり、サーボモータで台車を左右に動かして振り子を真下の静止位置から真上まで振り上げて静止させるという制御問題を考える。実験の結果、インテリジェントコントローラのパラメータを調整することにより、自動振り上げ制御を行なうことに成功した。また、振り上げた後の安定化制御では、外乱として振り子の先端にインパルス状の力を加えても、その影響を短時間で克服できることを確認した。さらに、振り子の長さを変更しても、あるいは、振り子先端に重りを付けて制御対象の動特性を変化させた場合でも、自動振り上げが可能であることを確認した。特に、先端に付けた重りが振り子に対して非対称であっても、提案したアルゴリズムが有効に機能することを強調したい。このような非線形制御問題は、理論的に扱うことは極めて困難であり、本研究で提案した新型インテリジェントコントローラによって始めて可能になったと言えよう。
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