研究課題
国際学術研究
可燃性混合気の着火と火炎伝ぱにおける安全工学および燃焼学の基礎研究の進展を目的とし、東京大学およびポーランド工科大学が協力して研究をおこなってきた。研究は、研究者を相互に派遣し知識および技術の情報意見交換をおこなうことにより進められた。本科学研究費補助金の基に4名の研究者が渡航した。知識および技術の情報意見交換は、可燃性固体微粒子群の燃焼機構に関する研究に重点が置かれた。この研究に関する多くのデータが、双方の大学の研究者から提供された。東大側:可燃性固体粉じん雲中(Stearic acid、1-octadecanolおよび金属粉じん)を伝ぱする火炎の構造、伝ぱ機構に関するデータ。ワルシャワ工大側:可燃性固体粉じん雲(主に1-octadecanol粉じん)の着火現象および火炎構造に関するデータ。結果として、以下の点が明らかになった。・可燃性粉じん雲中を伝ぱする火炎の構造(火炎構造、予熱領域の厚さ、反応領域の厚さ)・可燃性粉じん雲中を伝ぱする火炎の伝ぱ機構(熱伝達機構、火炎伝ぱ速度)これらの結果より、可燃性固体粉じん雲中を伝ぱする不均質系火炎は、均質な可燃性混合気中を伝ぱする火炎と比較して火炎帯が厚く、その分伝ぱ速度が小さくなるなどの特徴があることがわかった。これらの知見は、不均質系火炎の構造、伝ぱ機構を理解する上で大変重要であり、この共同研究により不均質系火炎の研究の大きなレベルアップ、ならびに日本、ポーランド間の学術交流の進展がはかれた。
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