研究課題
国際学術研究
国土の狭い日本に於いて、新たな人工環境となる、海上空港、海上都市等の大規模海洋構造物の研究の必要性が叫ばれている。一方、オランダは干拓事業で世界的に有名であるが、自然環境と人工環境との調和をはかりつつ、新たな海洋空間の創設を行ってきている。本研究では、大規模浮体の設計技術に関する研究として、大規模浮体の海洋環境に及ぼす影響評価、浮体の波浪中における非線形流体力の解析、大規模浮体に作用する環境外力(津波高潮、風浪、潮流など)の推定法の開発、柔軟構造物の流力弾性応答計算法の開発、超大型構造物の構造応答計算、複数浮体の流体力干渉と相対運動解析などを実施する。本年度は3カ年計画の初年度であるので、まず研究代表者(井上義行教授)を派遣し、相手側における水槽実験計画等の具体的な研究計画を確立した。続いて研究分担者(多部田茂助教授)を派遣し、デルフト工科大学の優れた実験施設を用いて、浮体の波浪中における非線形流体力や大規模浮体に作用する環境外力の推定法を開発するための基礎的な水槽実験を行った。本年度の実験は、大規模浮体構造物の有力な一形態である箱形のエアクッション式浮体構造物を対象として行われ、浮体の波浪中での流体力の特性を明らかにした。また、相手側研究代表者(J.A.Pinkster教授)を招聘し、相手側研究機関に於けるこれまでの研究成果をまとめ、大規模浮体の設計に応用する際の問題点の整理し、設計技術に関する意見交換を行った。
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