研究分担者 |
CROSS R.C. School of Physics, Univ.of Sydney, Assoc.Prof
BRAND G.F. School of Physics, Univ.of Sydney, Senior Lec
PEREYASLAVET 福井大学, 工学部, 助教授 (50291373)
小川 勇 福井大学, 工学部, 助教授 (90214014)
立川 敏明 香川医科大学, 医学部, 教授 (00020206)
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研究概要 |
1.遠赤外領域低損失高純度モード伝送技術の開発 楕円筒面と放物筒面とからなる準光学的アンテナを開発し,ジャイロトロンの円形導波管モード出力を直線偏光モードに変換し,同時に集光することに成功した。このアンテナは,プラズマ散乱計測装置に組み込まれ,現在核融合科学研究所のCHS装置の計測のために用いている。 また,発生した電磁波ビームを整形することにより,断面が円形形状のビームを生成し,ガウシアンビームに類似したハンドリング技術を確立した。 一方,シドニー大学では,このアンテナで集光された直線偏光ビームを再び円形導波管内に入射し,導波管内にHE_<11>モードを励起して,低損失で伝送するために用いている。 2.核融合プラズマのサブミリ波散計測 福井大学で開発したサブミリ波ジャイロトロンGYROTRON FU IIを光源とするサブミリ波散乱計測装置を製作し,核融合科学研究所のCHS装置に設置して,プラズマ中に自然励起されるドリフト波の測定を行い,その検出に成功した。ドリフト波はプラズマ閉じ込めに悪影響を与える波動であるので,その制御が必要であり,本測定はそのための情報を得るために必要である。得られた結果を反射法による測定結果と比較し,両者のよい一致を得ることができた。これは,両測定結果の高い信頼性を保障するものと評価される。 3.サブミリ波ESR装置の開発と応用 福井大学で開発したミリ波ジャイロトロンGYROTRON FU I及びサブミリ波ジャイロトロンGYROTRON FU IVAを光源とする広帯域ミリ波サブミリ波ESR装置を完成し,周波数範囲65〜250GHzを覆うことに成功した。この装置を用いて,1)DPPHの単結晶試料と粉末試料のESRの共鳴線幅の相違について,実験的研究を行い,2)ルビーのESRの角度依存性の実験結果から,構造定数Dの検討を行った。 4.高出力サブミリ波に対する誘電体の非線形応答 シドニー大学において,ジャイロトロンの高出力を用いて,各種物質の誘電率の測定を行い,非線形応答の観測し,結果を解析して,その機構を考察した。 5.サブミリ波ジャイロトロンの振幅変調及び周波数変調 ジャイロトロン出力の振幅変調及び周波数変調は,ジャイロトロンを広範囲の研究のために,光源として用いるために重要である。福井大学では,シドニー大学との共同研究として電子銃の陽極変調による出力の振幅変調と電子ビームエネルギーの変調による周波数変調の研究を行った。
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