研究課題
高度情報化社会に重要な視覚情報処理について、人間の視覚機能に範を求めて、デバイス・回路・ネットワークの研究を進め、将来の脳機能の超高集積回路(LSI)化の基礎技術を構築することを目指した。網膜機能については、前年度に得られた外網膜の機能を実現するアナログ集積回路を基にして、局所的な明暗順応を実現する基本回路を開発した。動き検出機能については、前年度に得られた計算機(SPICE)シミュレーション結果に基づいて、アナログ集積回路を研究試作し、一次元の動き方向と速度の検出ができることを確認した。そこでは、数桁に及ぶ広範囲な速度を簡単なネットワークで検出できることを明らかにした。さらに、二次元動き検出ネットワークについて、基本的な構成を検討した。動き検出を可能にするための、ターゲットを追跡する機能については、そのネットワークをモデル化し、シミュレーションによって動作を確認した。このとき、背景の動きを消すことができることも明らかにした。また、ネットワークを構成するための基本回路を考案し、SPICEシミュレーションによって動作を確認した。これらのネットワークの規模を大きくすると共に、現在のLSIに適応する設計に改良し、東京大学大規模集積システム設計教育研究センターに試作を依頼した。慶北大学では、前年度に得られた外網膜の機能を大規模化したLSIチップを企業において試作した。また、相互に訪問して、設計、試作、評価について検討すると共に、韓国でのセンサー学会で招待講演および共同発表を行った。
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