研究概要 |
前年度の成果に基づき、本年度は以下の項目について研究を行なった. 1. 実用的な適応制御手法の開発:周波数領域上での適応制御系設計については、これまでの結果をさらに発展させ、2次計画法を用いることで、安定性が保証できる手法を開発、多変数PID制御系の適応的設計手法に応用した.この結果は、本年7月に開催される第14回IFAC世界大会で発表予定である.また、また、プラントを強正實化して出力フィードバック方式で制御器を構成するために有効な並列フィードフォワード補償についても、Systems & Control Letters,Int,J,Systems Scienceなどに研究発表を行なっている. 2. 適応制御手法の有効性に関する実証的研究:プロセス制御については、岩井・水本がカナダを訪問、アルバータ大学設置のパイロットスケールプロセス実験装置に、上記周波数適応制御方式を適用、実験的に有効性の検証を行なった.また、S.L.シャーが熊本大学を訪問、多目的適応モデル予測制御手法を、自走式倉庫内搬送車の振動制御実験装置で、実際に検討した.また、同装置をペンチマーク問題と位置づけ、単純適応制御、周波数領域上での適応PID制御の3者について、比較険討を行ない、シャー教授が開発した最小分散制御を応用した手法で比較検討した.以上の結果の一部は既に、第41回自動制御連合講演会で発表したが、今後、評価の高いジャーナルに発表を予定している. 3. 其の他:この国際学術研究を行なった副産物と考えてよいが、学生交流の一環として平成10年度から熊本大学工学部学生をアルバータ大学で4週間英語・工学研修させるプログラムをスタートさせることができ国際化の動向に貢献できた.
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