研究分担者 |
LIN Bin 天津大学, 工学部, 助教授
TAN Jin 東北大学, 機械工学院, 講師
GUANG Qi Cai 東北大学, 機械工学院, 教授
喬 暁林 ハルビン工大, 咸海校・教授, 学長
今井 健一郎 神奈川工科大学, 工学部, 助手 (00308537)
QIAO-XIAO Lin Harbin Inst.Tech., Weihai Campus, The President
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研究概要 |
1. 超音波振動複合型研削加工法の着想に至った経緯と実験結果:代表的な硬ぜい材料であるBK7ガラスのシェアモード研削加工を行った(切込み2μm,ホイール周速度:470m/min,テーブル送り速度:150mm/min).その結果,研削量の増大に関わらず,一定の研削抵抗が得られるとの知見を得た.この知見から,研削抵抗値は,材料・加工条件等から決定論的に予測できるとの仮説を立てた.この従来の研削理論とは異なる仮説を検証して,その妥当性を示した.しかし,切込み10μm以上の場合に上述の知見は得られない.その原因は,ホイールと工作物との接触面積が増大して研削液の流入が妨げられ,発熱によるホイール作用面の劣化を生じることによるものと推定した.そこで,40kHz超音波振動複合型研削加工法を着想し,接触面への研削液の流入の促進を試みた.その結果,大きな接触面積をもつカップホイールの場合にも,上記の知見が得られた.これは,本論の仮説に基づいて,超精密研削加工の工学的かつ工業的応用範囲を,論理的体系として拡張させ得ることを検証したことになる. 2. レーザ加工による微細溝付きダイヤモンド工具(Engineered Tool)の試作ならびに実験結果:ホイールに代わる工具として,砥粒の大きさ・形状・分布密度・切れ刃高さ・結晶方位の揃ったダイヤモンド工具を提案し,試作した.エキシマレーザを用いて人工単結晶ダイヤ(1,0,0面)表面に溝加工を施した結果,2×2mmのダイヤ表面に,5μm□,高さ約10μmのポストを20μmピッチで正確に加工することができた。この工具を用いて単結晶シリコン(1,0,0面)のFly-cut実験を行った結果,a)シェアモード面が得られb)工具形状が確に加工面へ転写されていることを確認した.これらの結果は,本研究で提案したEngineered Toolが,将来の超精密加工の分野に大きく貢献できることを示唆するものである.
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