研究課題
基盤研究(B)
粒子の形状・寸法別空間分布の測定及び測定法開発に関する研究の国際的現状は、一般的には相変わらず位相ドラップ法で空間の極微小な視野内での粒子の寸法別流速の測定法研究が細々と続けられているだけである。この方法はでは粒子形状の測定は殆ど不可能である。これに対して、本研究グループらの開発した多重マッチトフィルタ(MMSF)法は直径40mm程度以上の広い視野内での粒子群の複数の形状・寸法別空間分布と挙動を実時間で並列に識別できる。MMSFとしてのホログラムの迅速簡便自動作成法が開発確立され、MMSF法の利用が容易になり、粒子群の形状・寸法別空間分布と挙動の大視野測定が可能となった。一方、流れ速度の瞬時定量可視化に関する国際的研究動向は、PIV法は二次元的測定が主であり、複数のカメラでの三次元的測定が試みられているが、多方向から粒子の三次元的位置の同定が難しいという問題がある。ホログラフィ技術で粒子の三次元位置を特定するHPIV法は現在の技術では光軸方向の粒子位置の分解能が低いという問題がある。PTV法は粒子の移動軌跡が三次元的に捉え易いという理由から三次元測定への拡張が国内外において試みられているが、実用性の高い方法は未だ見いだされていない。本研究グループの開発したMMSFを用いた変形二重露光PTV法は粒子移動軌跡ベクトルが直線的でなくても各形状・速度・向きごとに瞬時並列に画像識別でき、高濃度シード粒子による流線の重なり画像も容易に瞬時識別できるから、独創的なPTV流速分布測定法として国際会議で注目を集めた。これの三次元的測定法への適用が期待されている。更に、MMSFを用いた粒子群の形状・寸法ごとの空間分布・挙動・速度の大視野識別・測定法が本研究グループによって提案され、従来にない画期的な測定法と国際的な評価を得たが、測定結果を示す自己相関光輝点群の三次元的把握の仕方に多少問題を残している。
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