研究分担者 |
VOLENEC J.J. パデュー大学, 農学部, 教授
SCHULZE D.G. パデュー大学, 農学部, 教授
築城 幹典 岩手大学, 農学部, 助教授 (10292179)
若尾 紀夫 岩手大学, 農学部, 教授 (30003784)
河合 成直 岩手大学, 農学部, 助教授 (80161264)
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研究概要 |
作物中のミネラルは植物自体の生育ばかりでなく,人間や家畜の栄養や健康に大きな影響を与える.本研究は,ミネラルが土壌-植物-動物-土壌と循環する生態系を研究の背景とし,各プロセスで生じる問題を共同研究者が取り上げて研究を進める.本年は2年にあたり,パデュー大学農学部でシンポジウムを行って意見交換した結果,新たに「畜産地帯におけるミネラルフローの量的把握」と「アルファルファの施肥方式の違いが生育と不良環境耐性へ及ぼす影響」の2課題を共同研究することとした.前者は,右手大学方式とパデュー大学方式を双方で比較検討することとし,後者は,アルファルファの根と茎の横断面におけるミネラル分布を,エネルギー分散型X線分析法(EDX)で調べる.極端な処理の差の違いがある試料を6週間後に採取し、航空便で岩手大学に送付する.本年は,特に試料作成方法を検討し,来年度以降は同一試料を用いてSchulzeがシンクロトロンで分析した結果との照合も行う.岩手大学では,X線マイクロ分析を応用した牧草のミネラル含有率に対する個体選抜で,植物のどの部位を分析対象にすべきかを検討した結果,葉鞘が個体間差が大きく表れ,選抜効果が最も期待できることが明らかになった.葉書は,葉の先端の粗ケイ酸含量の割合が高く,他元素の相対割合に大きく影響するために効果が高くなかったが,試料採取場所を限定することで分析対象になりうる.パデュー大学では,農家規模の大型圃揚における殺虫剤と植物の無機栄養素の循環を,暗渠から収集した地下水について分析を行った.殺虫剤のカルボフランは年間散布量の0.05〜0.94%に該当する0.8〜14.1g/haが回収された.硝酸態窒素の回収量は18〜70kg/haであった.
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