研究概要 |
日本及び中国における重要な作物を対象とし,それらの生産性に関与する諸要因をバイオテクノロジー的手法によって解析し,両国の食料生産の向上に役立つ新たな生産技術を開発するための基礎的かつ応用的知見を得ようとするのが本研究の目的である.そこで,研究の最終年である本年度は研究成果の取りまとめ及びさらなる展望を図るため十分な議論を重ねた.幸いにも中国側代表者である洪徳林副教授が長期にわたって来日していたため共同研究は大いに推進した.また,今後の国際共同研究の発展方向や遺伝子資源の活用を探るため,二人が南京農業大学,中国ハイブリッド稲研究所及び雲南農業大学を訪問し,多くの研究者と熱心で有益な論議を行った.南京農業大学及び雲南農業大学ではそれぞれの水稲研究所の研究者と活発に意見交換し,香川大学で保有する突然変異系統の一部が中国でも有用な遺伝子資源であることが示唆された.また,日中の共同研究で開発しつつある新しい技術が中国ハイブリッド稲種子生産性の向上にきわめて有効であることを中国ハイブリッド稲研究所の多くの研究者が認めた.さらに,共同研究開発の可能性についても多くの期待が寄せられた. 両大学研究者の交流は過去3年間の共同研究成果だけでなく,新たな共同研究テーマを創出すると共に,若手教官や大学院生を含めた学生交流へ発展しており,今後も両大学の交流が継続し,さらに発展するものと思われる.
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