研究課題/領域番号 |
09045070
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
加藤 富民雄 佐賀大学, 農学部, 教授 (90109223)
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研究分担者 |
神田 康三 佐賀大学, 農学部, 助教授 (00117095)
柳田 晃良 佐賀大学, 農学部, 教授 (00093980)
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キーワード | 制限酵素 / 抗酸化物質 / 好冷細菌 / 立体構造 / ファージ / 接合誘発 / キトサン / キトサナーゼ |
研究概要 |
1.土壌細菌405株からII型制限酵素生産菌の検索を行い、37株について活性が認められた。これらのうち5株について、酵素の部分精製を行い、それぞれの認識塩基配列の検討を行った。その結果、それらはClaI、BciVI、PstI、AvaIおよびSau3AIのアイソシゾマーであることが明かとなった。 2.酵母の生産する抗酸化物質の生産について検討した。Saccharomyces cerevisiae IFO234,S.cerevisiaeIFO2373及びSporobolomyces salmonicolorの抗酸化物質の生産は培地組成、培養温度、通気量によって強く影響を受け、菌株によってその最適条件は異なっていた。 3.南極産好冷菌Alteromonas sp.AS11が生産する2種のsubtilisin型プロテアーゼ前駆体をコードする遺伝子の全塩基配列を決定した。これら低温プロテアーゼの立体構造モデルを作成し中温細菌由来の相同酵素と比較した結果、活性部位近傍に位置するループ領域の柔軟性増加が低温活性を高める要因となっているものと推察された。 4.蚊幼虫に対し特異的な病原性を有するBacillus thuringiensis serovar israelensisは現在では大量培養され、微生物殺虫剤として世界的規模で用いられているが、本菌は紫外線誘発性のファージによって溶原化されていることが明かとなった。また、このファージゲノムは菌体内では染色体外に存在し、Bacillus属細菌と混合培養することで接合培養することで接合誘発をおこすことを見出した。 5.カニ・エビ等キチン質を含む廃棄物を高温処理したコンポストから、キトサナーゼを生産する細菌を単離した。それら細菌には、Family46に属するキトサナーゼを生産するものばかりでなく、Family8に属するキトサナーゼを生産するものも含まれていた。これらのキトサナーゼは可溶性キトサンばかりでなく不溶性のキトサンもよく分解した。
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