研究課題/領域番号 |
09045078
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
岩久 正明 新潟大学, 歯学部, 教授 (70013927)
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研究分担者 |
岡本 明 新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10143786)
子田 晃一 新潟大学, 歯学部, 助教授 (90018755)
星野 悦郎 新潟大学, 歯学部, 教授 (90124619)
吉羽 邦彦 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30220718)
福島 正義 新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (30156773)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 機能性材料 / 接着性修復材料 / 歯髄細胞 / 生体親和性 / 生理活性 |
研究概要 |
本研究は、歯質に強固に接着すると同時に、修復後の細菌感染による2次う蝕の発生を予防し、さらに歯髄細胞の生理活性を賦活し、歯髄を保存するために新しい機能性接着性修復材料の開発を目的として行った。研究の内容は、次の3分野に及ぶ。 第1は被修復体である歯について、Dentin-Pulp Complexの観点から、象牙質の超微細構造、酸による脱灰の影響、修復のためのBonding剤の作用とその界面の観察等の研究を行った。第2には、歯髄のもつ本来の機能、外部からの侵襲の程度によるその反応と対応について、細胞生物学、免疫組織学的手法を用いて研究した。第3には、各種形態によりフッ素を添加したグラスアイオノマー系およびコンポジット系修復材料について、そのフッ素徐放性、歯質への取り込みおよび耐酸性の強化の研究およびそのより高度の効果を期待して作られた新修復材料であるコンポマーの各種物性について検討した。 その結果、第1については、健全およびう蝕罹患の過程における象牙質の超微細構造が明らかにされ、各種の濃度およびpHの酸によって起る脱灰の状態を詳細に知ることができた。また、それらの部位へ接着する材料の構造的、物性的状況が明らかとなり、今後の臨床的検討を進めるために極めて有効な成果が得られた。第2については、動物およびヒトの歯について、歯髄の諸機能の検討を行い、硬組織形成過程におけるプロテオグリカン、グリコプロテインをはじめとする各種生体活性物質の作用および外来侵襲に伴う歯髄の免疫組織学的反応、すなわち抗原提示細胞の動態などについての研究が進められ充分な成果が得られている。第3については、修復材料に含まれるフッ化物が2次う蝕の抑制に効果的であることが明らかにされ、今後修復材料の接着性と2次う蝕予防およびそれらの歯髄障害に対する反応及びその治癒機能昂進効果の研究を進める上に有効な結果が得られた。
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