研究課題/領域番号 |
09045082
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
円山 英昭 高知医科大学, 医学部, 教授 (00034645)
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研究分担者 |
張 憲有 佳木斯大学, 医学院, 教授
陶 富山 佳木斯大学, 医学院, 教授
中山 宏文 高知医科大学, 医学部, 助手 (50253068)
清久 泰司 高知医科大学, 医学部, 助手 (70195402)
弘井 誠 高知医科大学, 医学部, 講師 (20156699)
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キーワード | 肝線維化 / 伊東細胞 / 筋線維芽細胞 / 形質転換 / 分子生物学 / 病理学 / 免疫組織化学 / サイトカイン |
研究概要 |
本研究により、肝線維化について下記の真実を確認し、細胞生物学的発見をするのとが出来た: 1.肝線維化では病因の如何にかかわらず、壊死に陥った肝細胞に近接する伊東細胞か活性化Kupffer細胞やマクロファージ、リンパ球、好中球など傷害局所に浸潤した炎症細胞、類洞内皮に粘着した血小板などから放出されるTGF-β1,PDGFなどのサイトカインありいは壊死肝細胞由来因子、細胞外マトリックスの変化などにより刺激され、分裂・増殖する。ついで筋線維芽細胞様に形質を転換する。この伊東細胞の筋線維芽細胞化こそが肝線維化のcentral eventであり、筋線維芽細胞化伊東細胞が線維化巣を形成する。 2.従来、伊東細胞の関与が乏しいと考えられてきた胆管閉塞性線維化でも、閉塞後、肝小葉周辺部に細胆管が増生し、この部の伊東細胞が活性化され線維増生が始まる。この際、線維化巣内の筋線維芽細胞と増生細胆管上皮との密接像がしばしば観察され、細胆管上皮はTGF-β1陽性を示す。実験的には、胆管結紮後、線維化巣内にTGF-β1陽性のmast cellが浸潤する。これらの事実は肝線維化巣内の細胞はサイトカイン・ネットワークにより、相互に密接に関係し、線維化に関与していることを示してる。 3.肝線維化に際して認められる伊東細胞の筋線維芽細胞化現象は胎生末期に肝類洞壁にIII、IV型コラーゲンや各種の細胞外マトリックスが過剰に産生される時期にも観察され、出生後、消失することから、肝線維化時の反応は“胚戻り"としの側面を持っている。 現在、in situ hybridizationによる伊東細胞の筋線維芽細胞化機序の分子生物学的解析と薬物による肝線維化抑制実験を実施中である。相手側とは相互訪問により、研究結果の発表と意見交換を行い、あわせて当教室に留学中の相手側研究生(大学院生)とも研究活動を展開している。
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