• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

蛋白工学とホログラフィック・クライオ電子顕微鏡法によるモーター蛋白質機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09102006
研究機関東京大学

研究代表者

若林 健之  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90011717)

研究分担者 安永 卓生  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60251394)
キーワードミオシン / アクチン / 電子顕微鏡 / モーター蛋白質 / 蛋白質工学 / 筋肉 / 細胞骨格 / 生体運動
研究概要

これまで開発してきたホログラフィック電子顕微鏡像再構成法を用いて,ATP存在下での太いフィラメントの無染色凍結標本のクライオ像から三次元像を再構築した。その結果、初めてミオシン分子の立体的双頭構造を観察できた。太いフィラメント中のミオシン分子の配列にはラセン対称性があるが、三次元再構成する際には、異なるベッセル次数の項に分離する必要がある。そのためのプログラムを開発して用いた。ミオシン分子の二つの頭部は共に太いフィラメントの長軸に対して垂直に配向していた。太いフィラメントの骨格部分が、三本のミニフィラメントからなることも可視化できた。
これまで筋収縮の制御機構については、細いフィラメント内でのトロポミオシンの位置決定が重要である。細いフィラメントの無染色水和標本の構造研究を進め高分解能化を図った。まずアクチン・フィラメントのラセン対称性からのずれを検出し、方位角方向には対称性からの離反があることが分かったので補正し、逆投影法で三次元像を再構築した。フーリエ変換の位相角の再現性を吟味したところ、1.8nmの分解能まで十分な再現性があり、無染色水和標本でのトロポミオシンをほぼ連続的紐状の領域として初めて可視化できた。アクチン分子間の接触の強い箇所を固定できたが、疎水プラグと呼ばれる部分はこれに含まれなかった。
第4サブドメインに突然変異を導入したしたキメラアクチン(QTAAS…>KAYKE)についての解析を進めた。ミオシンS1による活性化もより協同的になっていることが新たに分かった。またこの5つのアミノ酸残基の内で始めのQTAまたは最後のASを保存すると、トロポミオシン結合能は野生型と同じであるが、QTA…>KAYのミニキメラ置換で、Caによる活性化はより協同的となった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Yasunaga: "Visualization of single myosin heads by cryo-electron microscopy and a holographic image reconstruction technique (HIRT)" Proceeding of the 22nd Taniguchi International Symposium Division of Biophysics. 244-252 (1997)

  • [文献書誌] T.Wakabayashi: "Structure and Function of Actin Filaments revealed by Site-Directed Mutagenesis of Actin and Image Analysis of Cryo-electron Micrographs" Proceeding of the 22nd Taniguchi International Symposium Division of Biophysics. 252-263 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi