研究概要 |
1)既存実験装置によるダ-クマタ-アクシオン探索:現有の装置を用いてアクシオンの質量10μeV近傍(共振周波数2.4GHz)を探索した。用いたリドベルグ原子状態は主量子数が160近辺の状態で、3段階レーザー励起により生成している。空胴の冷却温度は12〜15mKで、用いた原子ビームの速度は350m/s程度である。現在、最も理想的な実験条件(冷却温度、原子数、速度など)にはまだ達していないので、さらに種々の改良を行ないつつ、探索実験を実施している。 2)新探索実験装置の建設:より広い質量範囲のアクシオン探索可能な、大口径の超電導電磁石を中心とする新しい探索装置を建設した。有効内径50cm,中心磁束密度7T,軸方向の長さ1mの超電導電磁石、液体ヘリューム槽、液体窒素槽、希釈冷凍機および共振空胴設置用空間、レーザーおよび原子ビーム導入用ポートなどにより成る。現有の希釈冷凍機と組み合わせて全装置系を構成し、来年度より新しい質量範囲を探索する。 3)以上に加えて、2段レーザー励起によるリドベルグ原子生成が可能なように、原子ビーム系、レーザー安定化装置系、関連装置のコントロール系の建設を行った。
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