研究課題
この研究班は縄文時代の青森県三内丸山遺跡を中心に継続しておこなってきた。本年度は、三内丸山の集落とそのなかでの生活ぶりをCG化して再現しようという提案-震災地区産業高度化システム実証事業-があり、これに協力して、『三内丸山遺跡 縄文への旅』をつくった。1.CG画像は、空からと歩く人の視点で再現する。遺跡全体の俯瞰、舟で陸奥湾から沖館川河口にある港に入り集落に入る景観、盛り土、塔など高さを意識した遺跡から開ける展望、さまざまな遺構(貯蔵地区、一般住居、大型家屋、高層の六本柱建築)の復元とそのバリエーションの検討、時間変化(日の出入り、夏至と冬至にできる建物の影、四季による移り変わり)などをとりあげた。2.CGとは別に(1)縄文と現代は地形が大きく変化している。その時代的変化を見る(2)遺跡分布の前期、中期、後期、晩期など時期による変遷、その要因を考えるなどの作業を行った。また、出土遺物を、さまざまな角度から見た資料を集成すればディジタルミュージアムまたはア-カイブの有益な資料となることがわかった。CGは、子供を中心とした見学者がこれを見て遺跡に対する理解を深めることをねらっているので、利用を促進するためにエンターテイメントの要素をとりいれた。具体的にはインラクティブなクイズ形式をとることで、人々の生活ぶり(狩猟、漁労、里山の利用)などが説明できるようにした。これは三内丸山遺跡の展示室、国立民族学博物館、神戸市教育センターで公開された。将来は青森に常置し、インターネットを通じた公開ができることを考えている。
すべて その他
すべて 文献書誌 (7件)