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1997 年度 実績報告書

三次元形状計測を用いた考古遺物の形状比較法の研究(3)

研究課題

研究課題/領域番号 09204252
研究機関(財)元興寺文化財研究所

研究代表者

塚本 敏夫  (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (30241269)

研究分担者 森下 章司  京都大学, 大学院・大学研究科, 助手 (00210162)
佐藤 宏介  奈良先端科学技術大学院, 大学・情報科学研究科, 助教授 (90187188)
山田 哲也  (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (80261212)
キーワード三次元形状計測 / 文化財 / X線CT / 考古学 / モデリング / 遺物計測 / デジタルア-カイブ
研究概要

考古遺物の中で三次元形状計測の最大の難点である中空部や錆による原形線の復元等の死角部の形状や厚みがわからない鉄製品に対して内面情報の可視化の手段として文化財の非破壊検査法として普及しつつあるX線CT装置を用いて、内面データと同時に三次元計測による表面データを同時に取り込める計測装置の開発を行った。
計測実験では銀象嵌円頭柄頭を計測対象とし、同時計測を行い、表面の錆情報と象嵌情報の三次元視角化を行い、錆面厚みの定量化をおこなった。これにより、原形線の復元を行うことが出来るようになった。また、錆の厚みを定量化出来たことにより、保存処理における象嵌面の研ぎ出し作業での安全性を向上する事ができ、重要な象嵌部の欠損事故を防止する手法として活用できることが判明した。
また、鉄単体での計測実験では本来の原形線と錆の境界を判別するのが難しい場合があり、X線スライス像での原形線の抽出方法の確立が今後の課題として残った。しかし、製品によっては有る程度実用化できる見通しがついた。
次のステップとして、今年度の研究成果を踏まえて、その応用研究として研究対象を錆により原形がわかり難くなる鉄製考古遺物とし、鉄製品の中でも同じ鋳型で製作した際に同笵関係がはっきりわかる鋳造品ではなく、鉄を打ち出して成形する鍛造品のうち、古墳時代中期に大陸から導入されたと推定される金型を使用して鍛造したと考えられている型鍛造品に焦点を絞って、三次元計測による表面データとX線CTの三次元データの合成比較を行い、現状では類似品としか定量的に評価できなかった型鍛造品の定量的な立体形状比較法を確立することを目指したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 塚本敏夫: "考古学遺物の三次元デジタル化の現状とその応用" 創立三十周年記念誌 元興寺文化財研究所 1997. 224-232 (1997)

  • [文献書誌] 塚本敏夫: "三次元形状計測を用いた考古遺物の形状比較" 人文学と情報処理. 14号. 74-75 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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