本研究では、次の3つの目標をめざしている。まず、中国独特の経済統計用語のもつ概念と中国自身の定義に即して明らかにする。次に、それぞれの経済統計用語と類似している日本の擁護と比較しつつ、その異同を調べる。最後に、中国経済を分析するにあたって、それぞれの経済統計データをいかなる点に留意しながら、どのように使ったらよいかを例示する。 本研究は1997年度と1998年度の2年間にわたって実施する予定で申請している。今年度はその第1年目を終えたところである。 第1年度の研究作業における重点は、中国の新たな統計改革に関する文献・資料の収集、ならびに歴史の統計データの整理に置かれた。とくに1993年から1994年にかけて、国家統計局は統計調査制度の重大な改革を手がけており、その分野での資料収集に力を入れた。また、1997年の10月と12月には中国の国家統計局総合統計司、北京市、武漢市などを訪問して取材した。文献・資料の収集面ではかなり進展があったが、それを整理・分析する作業が残っている。 第1年度の研究作業の中間報告として、1998年1月9日、神戸における研究会で報告した。テーマは「中国の統計制度改革と統計用語概念についての検討」である。また、調査の過程で得たデータや情報を使って、中国経済のマクロ分析に関する論文を発表した。
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