芸術の受け手としての青年層を対象とする実態調査は、「現代青年の芸術意識と芸術活動」調査として、第1回の30歳未満の勤労者約1500人を対象とした調査(1985年)および、高等教育機関に属する全国の学生約1万人を対象とした第1回(1985年)・第2回(1991年度)・第3回(1996年)を実施してきている。 本研究では、勤労青年対象の第1回調査と、学生対象の第3回調査を踏まえて時系列分析および比較分析を行えるように設計を行い、30歳以上の勤労者も加えて約4000人の勤労者を対象とした「現代社会人の芸術意識と芸術活動調査」として実施するものである。さらに、通常の調査に加えてWWW上での当該実施調査もあわせて行う計画である。 研究経過は次の通りである。 (1)当該班で作成した調査票設計案を、数回の文化統計グループ会議での議論の結果編集作業を行い調査票設計を行った。 (2)調査票設計の最終的な可否を議論するために、1997年末に試験調査を実施した。 (3)同時に、最近急激な発展が挙げられているインターネットを利用した調査を計画した。WWW上での当該調査のために、新規の調査票設計およびWWWサーバの構築・データ回収システムの設計・作成を行った。 (4)第1回実施の対象事業所の調査依頼の準備と、勤労者の母集団構造の分析をした。第1回に依頼した事業所への再度の依頼が困難であるため、企業メセナ協議会の会員企業およびいくつかの地方都市にある企業への依頼準備をした。 (5)決定した調査票等の印刷を行った。 研究経過報告は重点領域<ミクロデータ>の(a)第3回全体研究集会(5月、東京、国際文化会館)、(b)A03研究集会(11月、青山学院大学)(c)第4回全体研究集会(12月、岡山大学)で行った。 今年度の研究成果は「統計情報活用のフロンティアの拡大の総括的研究-ミクロデータによる社会構造分析-1997年度報告書」に記載した。
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