研究分担者 |
木村 英明 札幌大学, 文学部, 教授 (00073536)
小野 昭 東京都立大学, 人文学, 教授 (70000502)
稲田 孝司 岡山大学, 文学部, 教授 (40135926)
甲元 眞之 熊本大学, 文学部, 教授 (70072717)
佐川 正敏 東北学院大学, 文学部, 助教授 (40170625)
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研究概要 |
旧石器〜縄文時代,縄文〜弥生時代,弥生〜古墳時代の変革期における生活と文化の実態を明らかにし「日本人および日本文化の起源」を追求するために,北海道・新潟・高知・長崎・佐賀・大分の6個所で旧石器〜弥生時代の遺跡の発掘調査をおこない,また基礎資料の集成と分析・比較研究をおこなった。大きな成果は以下のとおり。 (1)旧石器と人骨が共存した日本で唯一の遺跡とされる大分県聖嶽洞窟を発掘し,年代測定をするなど再検討した。 (2)新潟県真原人遺跡などを発掘し,日本・中国・ヨーロッパの更新世末における環境適応の一つとして旧石器時代の遊動生活から新石器時代の定住生活への移行の問題を追及した。 (3)佐賀県大友遺跡で弥生時代早・前期の墓地から低顔・低身の縄文系の人骨多数を発掘し,資料の乏しかった弥生早期の人骨の形質を追及する手がかりを得た。また,西日本の縄文・弥生時代の石棒などの呪的遺物,哀悼抜歯を材料にして,縄文文化の伝統と中国新石器文化起源の文化要素の伝来との総合としての弥生文化の性格を追求した。東アジア先史時代の穀物や動物依存体を集成して,生業についても分析し,日本列島と大陸との間に漁労民の活発な活動を基礎とする文化交流があり,そのうえで縄文人と渡来人との接触・交流の関係が成立したことを考察した。 (4)都市出現期の考古学的資料を世界的に収集・比較する一方,東アジアの都市と国家の形成に関する資料を収集した。各地における古墳構造の条件と、古墳を生みだした中央政権との関連を検討し、さらに韓国の古墳の資料を収集し、東アジアのなかで前方後円墳が成立する条件を追求した。
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