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1997 年度 実績報告書

日本文化の源流と形成に関するアジア諸地域との比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 09208106
研究種目

重点領域研究

研究機関国際日本文化研究センター

研究代表者

千田 稔  国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (20079403)

研究分担者 比嘉 政夫  国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (10045198)
諏訪 春雄  学習院大学, 文学部, 教授 (60082921)
光田 和伸  国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (10144304)
早川 聞多  国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (10208605)
笠谷 和比古  国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (90124198)
キーワード都市文化 / 藤原京 / 神仙思想 / 猿楽 / 端午祭り / 始原生産 / 採集 / 自然観
研究概要

(1)日本の都市文化を考える基点となる古代宮都の源流について検討するために、藤原京と平城京をとりあげ、そのモデルを中国の都城に求める研究をおこなった。明確な結論を得るにはなお困難な問題があるが、北魏洛陽城の外城について藤原京の最新の発掘成果と比較する必要があるという結論を得た。
(2)日本の基層文化として、ヲロチ(大蛇)信仰、神仙思想、雑密などについて分析した。ヲロチ信仰については三輪山信仰の源流であること、日本でも早く神仙思想を受容したのは、海の彼方に常世を幻視してきた地域であったこと、雨乞いには雑密的な要素が早くから入ってきたことなどを明らかにした。
(3)日本の祭りの源流を求める試みについては次のようなことを問題点としてとりあげた。(1)日本の能と狂言については、大陸から伝えられて散楽(猿楽)が寺院の修二会の追儺の儀礼となったことから発展したものである。(2)日本の南島の村々の祭りで歌われる生産歌謡は、中国の少数民族で今も保存されている来訪神儀礼との比較検討が必要である。(3)韓国の東海岸、江陵市の端午祭りの究明には、日本の各地の祭り(春日若宮のおん祭、鹿児島志布志町の山宮、安楽の両神社の田遊びなど)との比較検討が必要となった。
(4)わが国における始原生業要素の中から採集要素、とくにトチの実に関わる民俗を環境との関係から究明した。採集的な生業の中に主体的に焼畑・定畑・稲作を選択的に複合させていったが、その過程には環境条件の意識化があった。この研究は日本人の自然観を探る上においても有効であると考える。
以上、都市、文化、宗教、自然観などについての成果を得た。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 和田萃: "山の石・川の石・海の石" 古代学研究. 139号. 56-58 (1997)

  • [文献書誌] 和田萃: "神仙思想と常世信仰の重層" 上田正昭編「古代の日本と渡来の文化」所収. 603-619 (1997)

  • [文献書誌] 諏訪春雄: "来訪神祭祀の構造" 諏訪春雄・川村湊編「訪れる神々」所収. 53-72 (1997)

  • [文献書誌] 諏訪春雄: "東アジアの祭りの構造と類型" 諏訪春雄編「東アジアの神と祭り」所収. 1-54 (1998)

  • [文献書誌] 千田稔: "平城京の風景" 文英堂, 255 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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