標記の研究課題に関する平成9年度の研究実績の概要は、次項のごとくである。 [1]粒径0.1〜5ミクロンの高分子コロイド(ラテックス)粒子を種々な基板(ガラス、金属)の表面に大きなサイズにわたって規則的に配列させる試料作製技術を確立し、透明なコロイド粒子と蛍光色素を添加したコロイド粒子を種々な比率で含む単層膜、複層膜の試料を作製した。 [2]上記の試料について、走査型近接場顕微鏡(SNOM)、全反射減衰分光(ATR)、短時間パスル・レーザーによる時間分解側光法など、他機関の研究グループ(東北大工、徳島大工、東工大理)との共同研究により、規則配列した球形微粒子を伝搬する光の性質を実験的に詳しく解明した。 [3]球面波展開法により2次元的に規則配列した透明誘電体の微小球系でのフォトニック・バンド構造と、その固有状態の寿命を定量的に理論計算し、実験結果と比較した。 [4]粒径数ミクロンで厳密に同じ粒径を有する蛍光性微粒子を2個から4個まで直線的に接触させ、その発光スペクトルを微小プローブを用いて測定した結果、複合粒子系に特有な結合モードが存在することを、初めて実験的に確認した。
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