研究課題/領域番号 |
09215233
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
南 努 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081313)
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研究分担者 |
松田 厚範 大阪府立大学, 工学部, 助手 (70295723)
忠永 清治 大阪府立大学, 工学部, 助手 (90244657)
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50137238)
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キーワード | 超イオン伝導ガラス / 超急冷法 / 固体電解質 / リチウムイオン二次電池 / 核磁気共鳴 / オキシスルフィドガラス |
研究概要 |
Li_2S-SiS_2系をベースとするオキシスルフィドガラスは、全固体リチウムイオン二次電池の電解質の有力な候補である。我々は、(1-y)[xLi_2S・(100-x)SiS_2]・y[xLi_2O・(100-x)P_2O_5](45<x<67;y=0,0.05,0.20)系オキシスルフィドガラスの熱的および電気的性質を系統的に調べた。y=0.05のとき53<x<63mol%の範囲で、ガラスの安定性の尺度であるTc-Tgが大きな値を示し、また高いイオン伝導度を示した。^<29>SiNMR測定により、この組成域で硫黄と酸素の両方が配位したケイ素構造単位が多く存在することが観測された。このような構造単位の存在が、y=0.05の組成のガラスにおける高い安定性と高い伝導度の原因となっていることがわかった。 Li_2S-SiS_2系ガラスに対する、Li_3AlO_3およびLi_3AlS_3の添加の効果についても検討を行った。いずれの化合物を添加した場合においても、結晶化に対する安定性の向上および伝導の活性化エネルギーの減少がみられた。Li_3AlO_3を添加した系においては、硫黄と酸素の両方が配位したシリコンを含む構造単位が存在することがわかった。Li_3AlS_3を添加した系においては、^<27>AlNMRスペクトルによって、硫黄6配位のアルミニウムをもつ構造単位が多く存在することがわかった。この構造単位の存在が高いイオン伝導度に寄与していると考えられる。
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