Divergent/Divergent法により、N-アセチル-D-グルコサミン(GlcNAc)を親水性半球ブロックに、n-ヘキシル基を疎水性半球ブロックにもつ新規糖質両親媒性表面ブロックデンドリマ-1の合成を行った。すなわち、N-(2-アミノエチル)カルバミン酸ベンジルを開始核として用い、アクリル酸メチルとのマイケル付加反応と、エチレンジアミンとのアミド形成反応とを繰り返してポリ(アミドアミン)半球ブロックを合成し、このsurface-メチルエステル基へn-ヘキシルアミンを導入した後、core-Z基をチオアニソール/トリフルオロ酢酸により脱保護し、再びデンドリマ-構築を行いN-アセチル-D-グルコサミン誘導体置換セリンN-カルボキシ無水物(NCA)を反応させ1を合成した。G=1.5/2.0およびG=2.5/3.0の1の水溶液の表面張力を滴重法により求めたところ、明確な屈曲点が現れ、臨界ミセル濃度(CMC)を示すことが分かった。CMCにおける張力は十分に低く、比較的規則性高く嵩高いデンドリマ-が気液界面に並んでいることが分かった。末端ヘキシル基の専有面積を計算すると、G=1.5/2.0とG=2.5/3.0のデンドリマ-について、それぞれ14A^2および34A^2であった。1の重水中での集合形態を中性子小角散乱でも検討した。さらに、重水素化エタノール中での1の集合体の形態を^1H NMR測定により推測した結果、逆ミセル型の集合形態をとっていると考えられた。一方、ポリ(アミドアミン)デンドリマ-の雲母表面上への集積を行い、原子間力顕微鏡(AFM)での観察を行った。分子設計により、扁球状あるいは球状のデンドリマ-を界面に並べて、その分子形状、分子間隔などを制御できることが明らかになった。
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