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1997 年度 実績報告書

メソポアシリカ触媒によるプラスチックの油化分解

研究課題

研究課題/領域番号 09218241
研究機関岡山大学

研究代表者

阪田 祐作  岡山大学, 工学部, 教授 (70032951)

研究分担者 武藤 明徳  岡山大学, 工学部, 講師 (00174243)
UDDIN Md.Azh  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (70263613)
キーワードプラスチック / 油化分解 / 燃料油 / リサイクル / メソポアシリカ / 固体酸触媒 / 炭化水素 / 炭素析出
研究概要

我々は溶融高分子にシリカ・アルミナ系固体酸触媒を懸濁させる液相触媒法により、常圧中温域(360〜430℃)で、迅速な炭素鎖切断を実現し、自動車用ガソリンに近い沸点組成をもつ軽質燃料油が得られることを報告してきた。この触媒探索の過程で、結晶性メソポアシリカ(FSM)触媒が、(1)酸点を殆ど有さないにもかかわらず、(2)熱分解よりも数倍大きい速度でプラスチックを分解し、(3)熱分解と同程度の沸点組成を持つ燃料油を生成し、(4)炭素(コ-ク)の析出が極めて少ないことを見出した。本研究の目的はこの触媒の作用機構の究明と、この特性を生かした触媒分解プロセスの実用化の可能性を検討することである。
本年度はFSM、シリカ-アルミナ(SA1,SA2)、ゼオライト(ZSM-5)、非晶質シリカ多孔体(シリカゲル)を用いてPEやPPなどのポリオレフィン系プラスチックの液相接触油化分解を行った。酸強度の強いSA1、ZSM-5ではガス収率が高くなり、液収率が低下した。特にZSM-5触媒で、はガス化率が約50%と異常に大きく、液収率はかなり低くなった。逆に酸点をもたないFSM触媒では液収率は無触媒熱分解より高くなり、油化分解には好ましい。初期液留出度はFSMや固体酸触媒では無触媒熱分解に比べて4-5倍速かった。しかしシリカライトやシリカゲルでは初期液留出速度は無触媒熱分解と同程度であった。分解油の液組成はSA1触媒ではガソリンに等しいが、FSMでは熱分解生成物に近く、灯・軽油成分をかなり含んでいた。
同じFSM触媒を繰返し用いて回分実験を行ったところ、2回目以降も液収率の低下は小さく、4回目でも83%以上であった。分解速度は徐々に低下したが、先に報告したSA1触媒の場合よりも小さかった。FSM触媒の色は3回使用後でも白っぽく炭素析出が極めて少なかった。500、600、700℃で焼成したFSMにより、PP油化分解(380℃)を行った。600や700℃で焼成したFSMは高い分解活性を示したが、500℃焼成FSMでは活性がみられず分解成績は熱分解と変わらなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yusaku Sakata: "Catalytic degradation of polyethylene into fuel oil over mesoporous silica (KFS-16) catalyst" Journal of Analytical and Applied Pyrolysis. 43. 15-25 (1997)

  • [文献書誌] Md.Azhar Uddin: "Catalytic degradation of polyethylene and polypropylene into liquid hydrocarbons with mesoporous silica" Microporous Materials. (in press). (1998)

  • [文献書誌] Yusaku Sakata: "Catalytic degradation of polyethylene into fuel oil" Macromolecules. (in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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