研究課題/領域番号 |
09226224
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田川 精一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80011203)
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研究分担者 |
三木 美弥子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10167661)
関 修平 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30273709)
誉田 義英 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40209333)
山本 幸男 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10029902)
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キーワード | アセチレン / フェニルアセチレン / 放射線 / ポリアセチレン / パルスラジオリシス / ラジカル重合反応 / 低温固相重合反応 / 過渡吸収 |
研究概要 |
重合反応開始時の誘導期が認められない事や、見かけ上の活性化エネルギーが著しく低い等の特色を有する低温固相重合反応において、トンネル電子移動過程が重要な役割を担っていることが指摘されてきた。本研究では、低温固相重合反応を引き起こすとされるアセチレン及びアセチレン誘導体やジアセチレン分子等の単量体結晶に対し電子・γ線照射を行い、低温下において引き起こされる重合反応の開始過程や成長過程を電子線パルスラジオリシス法及びエキシマレーザー・γ線照射に伴う生成物分析により検討した。 本年度、紫外線暴露においては、低温下重合収率の飽和が観測され、重合反応の活性化エネルギーはほぼ0に収束する。従って固相状態では液相下と異なるメカニズムで重合反応が進行し、重合反応生成物は、シス型ポリフェニルアセチレンであると考えられる。エキシマレーザーパルス照射時、生成するポリエン構造を有するポリマー薄膜は、その共役系成長に伴い電気伝導性を発現することが予測される。そこで、低温下進行する重合反応を電気伝導性の同時分析により評価した。150Kにおいて、生成高分子の導電性は1μs以内に発現することが確認され、低温下では極めて迅速に重合反応が進行していることが明らかとなった。 また、電子線パルスラジオリシス法を用いて、フェニルアセチレンの融点近傍および融点以下の固相における重合反応過程の観察に成功した。低温固相下、重合反応進行に伴う高分子生長カチオンと考えられる過渡吸収が観測されている。
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