研究課題/領域番号 |
09229232
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 直一 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (70027704)
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研究分担者 |
花田 禎一 京都大学, 総合人間学部, 教授 (50111935)
冨井 洋一 京都大学, 大学院・エネルギー科学研究科, 助教授 (90026245)
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キーワード | 鉄 / 磁性体 / 厚膜 / DCアークプラズマ / 窒化 |
研究概要 |
強磁性窒化鉄には窒素含有量の異なるいくつかの相が存在する。これらの相を傾斜機能化磁石として用いる試みは比較的古くから行われているが、まだ満足すべき結果が得られているとはいえない。本研究は、窒化鉄をDCアークプラズマ法を用いて傾斜機能化させる試みについて報告する。鉄原料はFe箔(膜厚50ミクロン)、Fe_3O_4、α-FeOOH、α-Fe_2O_3を焼結の後還元してFeとしたものを用いた。 Fe箔の窒化:Fe箔をプラズマ窒化すると、一般に、Fe、Fe_4N、Fe_3Nが混在したXRD図形を示す。マクロ観察及びXRDより試料はプラズマト-チ側でより窒化が進んだ状態にあり、ホルダー側では金属鉄の状態になっており、模式的には各相が層状に積み重なっている状態と考えられる。Fe、Fe_4N、Fe_3Nの割合はプラズマ窒化の条件により変わる。 Fe(微粒子焼結体)の窒化:酸化鉄あるいはオキシ水酸化鉄を成形、焼結後、プラズマ水素で直接還元し、続いて窒化を行った。箔状試料と同様にFe、Fe_4N、Fe_3Nが生成すること、また、それらの混在する割合が箔状試料に比較して大きく変化し、条件によってはFe_3Nのみが生成することが判明した。 Ti被覆Fe(微粒子焼結体)の窒化:Fe(微粒子焼結体)にスパッタによってTiを被覆した後プラズマ窒化を行った。試料の表面は、窒化後、TiN生成による金色の光沢を帯びていた。また、XRDはFe、Fe_4NおよびTiNの混在を示していた。また、同一の反応条件で被覆の有無による効果を比較すると、Fe_4Nの生成量は被覆のない場合の方が多かった。メスバウワ-効果の解析より、傾斜化は表面より3ミクロン程度のところまで起こっていることが判明した。
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