傾斜材料は物理的性質を急変させないように、次第に変える材料である。本研究では主として2次元合金についてのシミュレイションを行った。多くの2次元合金では電気抵抗率が策定されているものがあるが、熱伝導率はあまり測定されていない。そこで、ウィーデマン・フランツ則を用いて、電気伝導率から熱伝導度を導出した。これとグリュナイゼン定数を用いて、熱膨脹係数を求めることができた。調べた結果、熱膨脹係数は合金化してもあまり変化しないことが分かった。これより2つの金属同士、または濃度の異なった合金同士を接合し、両者を異なった温度にした場合に、接合の破壊を避けるには応力を分散させ、温度勾配も分散させるることがよいという結論を得た。そこで、温度が厚さ方向に線形的に変えるよう合金の組成を変化することがよいことが分かった。この条件を満足させるために、有限要素法を用いて数値計算を行い、合金組成の厚さ方向に対する変化を計算した。これにより最大応力を最小にする設計を行う事が出来た。
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