研究概要 |
本研究では強力なコレステロール生合成阻害活性、抗真菌活性を有しているザラゴジン酸A(別称:スクワレスタチンS1)の全合成を検討するとともに、それを通じて高次構造化合物の新規かつ効率的な構築法開発を行うことを目的としている。実際にはザラゴジン酸AをC6側鎖部分、コア部分、C1側鎖に分けてそれぞれ立体選択的に合成した後にC1側鎖のリチオ化体のコア部分への付加、ケタール化を行い、さらにC6側鎖部分とのエステル化によりその全合成を行う計画を立て、本年度は各セグメント合成について検討した。 その結果、C6側鎖部分はキラル・ジエノラート化学・[3,3]-転移手法により、C1側鎖部分は乳酸メチル由来のキラル・エーテルを基質とする不斉[1,2]-Wittig転位を鍵反応とする手法により、さらに最も複雑なコア部分はガラストース由来のケタールを基質とする不斉[1,2]-Wittig転位を鍵反応とする手法によりいずれも高立体選択的に合成することに成功した。現在、それらのカップリングについて検討中である。
|