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1997 年度 実績報告書

芳香環面不斉を利用したアトロプ異性体の立体選択的構築

研究課題

研究課題/領域番号 09231241
研究機関大阪府立大学

研究代表者

植村 元一  大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (90047241)

キーワード面不斉 / アレーンクロム錯体 / アトロプ異性 / クロスカップリング / コルペンスアミン / パラジウム触媒
研究概要

アトロプ異性の存在するビアリール化合物は、不斉反応の配位子のみならず顕著な生物活性を有する天然有機化合物にも数多く存在している。それゆえ、アトロプ異性のビアリール化合物を光学活性体として効率よく合成する反応の開発が注目されている。本研究では、(アレーン)クロムトリカルボニル錯体の芳香環面に由来する不斉に着目し、アリールホウ酸とのパラジウム触媒によるクロスカップリングで軸不斉を制御することを行った。その結果、生成するビアリールモノクロム化合物の軸不斉は用いるアリールホウ酸のオルト位の置換基に左右されることを明らかにした。更に、この反応で生成したビアリールモノクロム錯体は、熱力学的に不安定なsyn-体の軸不斉を有しており、このsyn-体を高沸点溶媒中で加熱還流すれば、熱力学的に安定なanti-体へ異性化することも明らかにした。これらの結果より、単一の面不斉をもつアレーンクロム錯体より、アトロプ異性体の両光学対掌体を合成できることも見いだした。
これらの結果をもとにして、顕著な生物活性を有する天然有機化合物のコルペンアミンの全全合成をおこなった。コルペンアミンは抗マラリア活性を示し、ナフタレン環とテトラヒドロイソキノリン環との間で軸不斉の存在する化合物である。従来の方法では、すべて軸不斉の混合物として合成されている。本研究では、まずカップリングさせる置換ブロモベンゼンのクロムトリカルボニル錯体を光学活性体として合成し、この錯体とナフタレンホウ酸とのクロスカップリング反応で、望むべき軸不斉のあるビアリール体を高収率で得ることができた。更に、側鎖を延長し、ついで環化反応してコルペンアミンへと変換することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] N.Taniguchi,M.Uemura: "Synthesis of Enantiomerically Pure 1,2-Diamines by Reducticve Caupling of Tricarbonfl benzaldiminy Chnomium Complexes" Synlett. 51-53 (1997)

  • [文献書誌] N.Taniguchi,M.Uemura: "(Arene)tricaboyl chnomium Complexes in Radical Readions;Samarium(II)Lodicte-Mediatil Coupliny of chnomium-Complexed Being aldohyole or Acefophe none" Tetrahedron Lettirs. 38. 7199-7202 (1997)

  • [文献書誌] K.Kamikawa et al: "Stereosileittre Synilosis of Both Enartiomes of Axially chinel Bioufs Utilizing planar clrirel Tricarbof(arene)chnomium Complexes" J.Oy.Chem.61. 1375-1384 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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