• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

海洋産ポリ環状エーテルの効率的骨格構築法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09231248
研究機関名城大学

研究代表者

森 裕二  名城大学, 薬学部, 助教授 (40121511)

キーワードオキシラニルアニオン / アルキル化 / 6-エンド閉環反応 / ポリテトラヒドロピラン / 海洋天然毒 / ポリ環状エーテル
研究概要

海洋天然毒ブレベトキシン、シガトキシン、マイトトキシンに代表されるポリ環状エーテル毒は、2-5個の6員環エーテルが規則的にトランス型で縮環した梯子状構造を有している。本研究では、海洋産ポリ環状エーテル天然毒の共通基本骨格であるポリテトラヒドロピラン環システムの効率的合成法の開発を行った。
1.ビルディングブロックとなる光学活性エポキシスルホンの合成
(R)-ペンチリデングリセルアルデヒドとフェニルトリメチルシリルメチルスルホンを反応させて得られるz-ビニルスルホンをエポキシ化したのち、側鎖部の変換を行って3炭素からなる光学活性エポキシスルホンを合成した。
2.ポリテトラヒドロピラン環システムの反復型効率的合成
トリアセチルグルカ-ルから合成した(3-ヒドロキシ-2-ピラニル)-メタノールをワンポットでシリル保護トリフレートに誘導したのち、トリフレートとエポキシスルホンの混合物を-100℃でn-ブチルチリウムを作用させるとほぼ定量的にカップリング体が得られた。これをp-トルエンスルホン酸と55℃で加熱すると、脱シルル化、6-エンド閉環反応、スルフィン酸の脱離が一挙に進行し、トランス縮合型二環性テトラヒドロピラニルケトンが生成した。ケトンの立体選択的還元、脱シリル化すると二環性ジオールが得られた。このジオールは出発原料と同じ構造であり、1)トリフレート化、2)カップリング、3)6-エンド閉環反応、4)還元、5)脱シリル化の5工程からなる反応サイクルをさらに2回繰り返すことにより、トランス型四環性テトラヒドロピランを効率良く合成することに成功した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yuji Mori: "Oxiranyl Anions in organic Synthesis:Application to the Synthesis of Hemibrevetoxin B" J.Am.Chem.Soc.119. 4557-4558 (1997)

  • [文献書誌] Yuji Mori: "Reiterative Synthesis o trans-Fused Tetrahydropyrans Using Oxiranyl Anion" Chem.Eur.J. 3. 849-852 (1997)

  • [文献書誌] 森 裕二: "求核性エポキシドとしてのオキシラニルアニオンの発生と反応" 有機合成化学協会誌. 55. 26-35 (1997)

  • [文献書誌] Yuji Mori: "Stereoselective Synthesis of the 6,7,6-and 6,7,7,-Ring System of Polycyclic Ethers by 6-endo Cyclization and Ring Expansion" Tetrahedron. 53. 12917-12932 (1997)

  • [文献書誌] Yuji Mori: "oxiranyl Anions as Nucleophilic Epoxides : Reactions and Synthetic Applications" Rev.Heteroatom Chem.17. 183-211 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi