免震構造物の悲劇的な崩壊の防止に関する研究

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09234211
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 和田 章 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (90158684)
• 研究分担者: 黄 一華 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (50262324)
• キーワード: 免震構造 / 過大入力 / 耐震設計 / 積層ゴム / ダンパー

研究概要

大きな地震災害が都市を襲うことの怖さがはっきりしてきた。大きな観点に立てば、都市計画、国土の利用法の問題になるが、ここの建築構造物、土木構造物の耐震性を高めることが前提になる。ノースリッジ地震、兵庫県南部地震を受けて、これらの地震時の現象がはっきりしてきたため、免震構造の建設が非常に増えてきている。過去を振り返って反省すると、新しい技術、構造法が定着していくとき、たとえば、鉄筋コンクリート構造は耐震的である、鉄筋構造は靭性が高く耐震的であると言うように過信が生じその後の大きな被害をよんでいることがある。免震構造についても、同じ事があってはならない。免震構造が普及しつつ現在において、設計の時点で考えているより大きな入力があったときの挙動について見極めておくことが重要である。ここでは、過大な入力を受け、積層ゴムに部分的に浮き上がり現象が生じたときの挙動の数値解析による解明、圧縮力と引張力の繰り返し力を受ける積層ゴムに対する実験、免震構造の変形制御のために重要なダンパーの大変形時の挙動を確かめるための実験を行った。

研究成果

• [文献書誌] 大西雄一郎,林賢一,黄一華,岩田衛,和田章: "被害レベル制御構造における梁端フランジ溶接部の力学的特性" 日本建築学会構造系論文集. 501. 143-150 (1997)
• [文献書誌] Connor J.Jerome, Wada Akira Iwata Mamoru,Huang Yi-Hua: "Damage-Controlled Structures,I:Preliminary Design Methodology for Seismically Active Regions" Journal of Structural Engineering,ASCE. 123. 423-431 (1997)
• [文献書誌] Wada Akira,Huang Yi-Hua Yamada,Takahiro,Sugiyama,Satoshi: "Actual Size and Real Time Speed Tests for Hysteretic Steel Damper" Proceedings of Stessa '97. 778-785 (1997)
• [文献書誌] Wada Akira,Iwata Mamoru Huang Yi-Hua: "Seismic Design Trend of Tall Buildings after Kobe Earthquake in Japan" International Post-SmiRT Conference Seminar on Seismic Isolation,Passive Energy Dissipation and Active Control of Seismic Vibrations of Structures. 251-269 (1997)
• [文献書誌] Wada Akira,Kasai Kazuhiko Huang Yi-Hua: "Hysteretic Model of Viscoelastic Damper for Long Duration Loading" Summaries of Technical Papers of Annual Meeting. 829-830 (1997)