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1997 年度 実績報告書

ヘムオキシゲナーゼの構造と機能との関連(特に酸素活性化について)

研究課題

研究課題/領域番号 09235101
研究機関山形大学

研究代表者

吉田 匡  山形大学, 医学部, 教授 (10004673)

研究分担者 右田 たい子  山口大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90159161)
藤井 浩  山形県テクノポリス財団, 生物ラジカル研究所, 主任研究員 (80228957)
キーワードヘムオキシゲナーゼ / ヘム分解 / 酸素親和性 / CO親和性 / ヘム / オキシゲナーゼ / 酸素活圧化 / ビリベルジン
研究概要

ミクロソーム酵素であるヘムオキシゲナーゼには二つのイソ酵素がありそれぞれHO-1,HO-2と呼ばれている.ヘムは本酵素によりヒドロキシヘム,ベルドヘム,ビリベルジン・鉄錯塩を経てビリベルジン,CO,鉄イオンに酸化的に分解される.この反応に必要な電子はやはりミクロソーム酵素であるシトクロムP-450還元酵素によって供給される.ヘムだけではなくヒドロキシヘム,ベルドヘムからの反応でもそれぞれ一分子の酸素が利用される.従って,三つの連続したモノオキシゲナーゼ反応が一つの酵素蛋白の上で起こっていることになる.
COはヘムの二価鉄に強い親和性を有するためCOは種々のヘム蛋白質の機能を阻害する.本反応の生成物の一つとしてCOが生ずるが,何故,このCOがヘム分解反応を阻害しないかは興味ある課題であった.そこで今年度は主にこの点について研究を行った.その結果次ぎの事実が知られた.
1.HO-1とHO-2に結合したヘム鉄の酸素やCOに対する結合能は両者とも殆ど同じであった. 2.酸素親和性はミオグロビンの場合に比べ30-90倍と極めて高かった.これは酸素結合速度はミオグロビンの場合と同じであるが,酸素解離速度が極めて遅いことによるためであった. 3.一方,CO親和性は酸素親和性とほぼ同程度であった. 4.還元型ヒドロヘキシムとの酸素及びCO親和性もヘムの場合と同様の結果であった. 5.ベルドヘムの場合はCO親和性は他のヘム蛋白質に比べ極端に低かった.
以上の実験事実と,ヘムオキゲシナーゼ反応で生じたCO濃度は反応場での酸素濃度よりも極めて低い事実とを考え合わせると,本反応で生じたCOは本反応を殆ど阻害しない理由が解明出来たことになる.一般のヘム蛋白質ではCO親和性は酸素親和性よりもかなり高いのに対し本酵素に結合したヘムの場合はそうではなかった.この点の解明は今後の大きな課題の一つである.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ishikawa Kazunobu: "Identification of histidine 45 as the axial heme isor ligand of heme. oxygenase-2" Journal of Biological Chemistry. 273・8. 4317-4322 (1998)

  • [文献書誌] Migita Catharina Taiko: "The oxygen and carbon monoxide reanoxide reactions of heme axygenase" Journal of Biological Chemistry. 273・2. 945-949 (1998)

  • [文献書誌] Mansfied Matera Kathryn: "Histicline-B2 does not stabilige a distal water ligand and is not an important residue for The enzyme activity in heme axygenase-1" Biochemistry. 36・16. 4909-4915 (1997)

  • [文献書誌] Takahashi Satoshi: "Resonance Raman spectroscopic characterization of α-hydroyheme and Verdoheme complexes of heme oxygenase" Biochemistry. 36・6. 1402-1410 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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