研究課題/領域番号 |
09236101
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研究種目 |
重点領域研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮崎 照宣 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60101151)
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研究分担者 |
大塚 洋一 東京大学, 低温センター, 助教授 (50126009)
山本 良一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10107550)
前川 禎通 東北大学, 金属材料研究科, 教授 (60005973)
高梨 弘毅 東北大学, 金属材料研究科, 助教授 (00187981)
佐藤 英行 東京都立大学, 理学部, 教授 (80106608)
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キーワード | トンネルスピン磁気抵抗 / 磁性不純物 / スピンバルブ / トランスファーマトリックス / 単電子トランジスタ / クーロンブロッケイド / スピンブロッケイド / 界面磁気異方性 |
研究概要 |
1.Alの酸化条件によりAl-oxideの障壁の高さを種々にかえたFe/Al-oxide/Fe接合を作製して、トンネル磁気抵抗比(TMR比)の障壁高さ依存性を実験的に明らかにした。 2.Fe/Al-oxide/FeおよびNi-Fe/Al-oxide/Co接合のTMR比の温度依存性並びに印加電圧依存性を実験的に調べ、理論的に指摘された磁性層と絶縁層界面の磁性不純物によるスピンフリップにより実験結果を説明できることを示した。 3.Co-Al-Oグラニュラー薄膜のTMR比の温度ならびに印加電圧依存性について調べ、低温でTMR比がエンハンスすることおよびTMR比がバイアス依存性を示さないことを明らかにした。 4.TMR効果を利用したデバイス開発のための基礎的データとしてスピンバルブタイプの接合の作製およびその熱的安定性、更には微小接合作製のための微細加工プロセスの検討および絶縁層作製のためのプラズマ酸化等について多くの成果を得た。 5.ミクロンサイズのパ-マロイ細線の磁気抵抗と横方向電圧の同時測定を試み、磁気抵抗で観測される微細構造がより明瞭に観測でき、磁気抵抗では本質的に判断できない構造を識別できることを明らかにした。即ち、横方向の電圧測定は微小領域の磁性体のミクロな空間的情報を調べるのに有効な手段であることを示した。 6.絶縁層に小さな金属微粒子を含む強磁性トンネル接合(ダブル障壁接合)のTranfer matrixの微粒子と電極の磁性の相対角度依存性を理論的に計算した。この結果、クーロンブロッケイド領域では共トンネルにより磁気抵抗が増大すること(スピンブロッケイド)を明らかにした。この成果は最近の強磁性単電子トランジスタ、強磁性グラニュラー等の伝導についての実験結果を解釈するうえで非常に有効である。 7.Ni/Co/Ni単電子トランジスタを製作し、クローンブロッケイド領域における巨大トンネル磁気抵抗効果および磁気クーロン振動を見出した。更に、ゼーマンエネルギーで電極の磁性体のフェルミレベルが変化することにより磁気クーロン振動を説明できることを示した。 8.高品位Pd/(Co_<1-x>Ni_X)および(Fe-Co)金属多層膜の垂直磁気異方性,界面磁気異方性を詳細に調べ,理論との比較を行った。 9.一原子層ずつ精密に制御したAuとFeの原子層が等しいAu/Fe人工格子を作製し、垂直磁気異方性が原子層厚に対して振動する現象を見出した。
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