研究課題/領域番号 |
09236203
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
石尾 俊二 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (90134006)
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研究分担者 |
斉藤 準 秋田大学, 鉱山学部, 講師 (00270843)
菅原 茂夫 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (70006683)
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キーワード | 不連続人工格子 / AMR / GMR / MFM |
研究概要 |
(金属/絶縁体)不連続人工格子では、クラスター間の直接・間接強磁性相互作用が弱まり磁化の反平行状態が容易となり高い磁場感受率が得られる。また高電気抵抗媒質中に異方的で規則的クラスター配列が実現できればトンネル型GMRに関する基礎的知見が得られる。またクラスターの磁化状態はMFMによる漏洩磁場の三次元解析によって可能と考えられる。これらの観点から以下の研究を行った。 1.(金属/絶縁体)不連続人工格子の作製 (金属/絶縁体)不連続人工格子及びグラニュラー薄膜作製のために、多層膜作製用ECRスパッタ装置を自作した。現在Co/Al_2O_3系人工格子及びグラニュラー膜について、各膜厚、組成比を変化した試料を作製し、構造解析、磁化並びに磁気抵抗測定を行っている。 2.(金属/金属)三層膜における伝導電子のスピン依存散乱機構 金属系人工格子膜のスピン依存電子散乱機構を明らかにすることを目的として、AMRの大きなNiCoに着目し、(Fe/NiCo/Cu/NiCo)誘導フェリ膜、(Cu/NiCo/Cu/NiCo/FeMn/Cu)スピンバルブ膜を作製しGMRとAMRの比較検討を行った。その結果、全てのNiCo系の三層膜でGMRとAMRによる電気伝導率の変化量Δσ_<GMR>とΔσ_<AMR>の間に比例関係が成り立ち、その関係は膜構造あるいは温度によらず成立することから、GMR、AMRのいずれも膜中の構造欠陥を散乱中心としたスピン依存バルク散乱モデルで説明できることを示した。 MFMによる不連続人工格子薄膜の磁区観察 膜中に分散したクラスターの磁化配列を求めるためには、得られた画像を磁化分布に変換するための伝達関数を明らかにする必要である。その探針を単一磁気双極子として伝達関数を定式化すると共に、実験的に垂直磁気記録媒体を標準試料に用いて伝達関数を求めた。現在クラスターの磁気配列を求めるために、得られた伝達関数を用いた画像変換法を開発中である。
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