1.Ni(110)単結晶に対して、スピン偏極電子線を用いたNi2p_<2/3>およびNi2p_<1/2>SXAPSの測定を行った。軟X線強度をパルスカウント法で計測したので、ΔE=0.13eVの高分解能のスペクトルを得ることができた。スペクトル解析により、APSスペクトルは空の状態密度だけに依存するわけではなく、内殻ホールのできる確率を考慮に入れなければいけないことがわかった。このことは特にNi2p_<1/2>スペクトルでは顕著である。 2.微細磁性体配列は、通常の走査電子顕微鏡を使用し、電子線リソグラフィー技術によって作成を試みている。これまでに、レジストの加工条件を決定した。 3.自作した小型スピン偏極度検出器を使用し、マグネタイト(110)単結晶表面から放出される2次電子のスピン偏極度を測定した。観測されたスピン偏極度は約10%であった。これは鉄と酸素の全価電子の平均スピン偏極度と一致する。
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