研究課題/領域番号 |
09237105
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中戸 義禮 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70029502)
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研究分担者 |
中林 誠一郎 埼玉大学, 理学部, 助教授 (70180346)
箕浦 秀樹 岐阜大学, 工学部, 教授 (40021612)
橋本 和仁 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00172859)
野坂 芳雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30134969)
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キーワード | 原子レベル構造制御 / 終端結合 / 太陽エネルギー変換 / ナノ構造体 / 電気化学的エピタキシャル成長 / 磁性材料 / 光制御 / 界面電子移動ダイナミクス |
研究概要 |
半導体表面の原子レベルでの構造制御ならびに界面光電気化学過程のダイナミクスの解明と、これによる新しい光機能界面の創製を目的に研究を行った。半導体表面の原子レベルでの構造制御に関しては、ハロゲン終端結合の生成によるSiの表面バンドエネルギーの変化の機構について詳しく調べ、ステップに存在するSi-OHのOHがX(X:ハロゲン)に置換することによりSi-X結合が生成することを明らかにした。半導体表面上のナノ構造体の形成に関しては、結晶n-TiO_2電極を硫酸中で光アノード溶解させることにより〈001〉方向に伸びたナノサイズの四角の細長い孔が形成されることを見出し、この細孔の側壁が(100)面であることを明らかにした。半導体薄膜の電気化学的エピタキシャル成長に関しては、量子井戸構造の製作の可能な交互イオン吸着反応堆積法(SILAR法)を用いて、ITO基板上に(001)方向に配向したCdS結晶子が得られることを明らかにした。また、高速度成長の観点から1つの溶液からの結晶成長も検討し、チオアセトアミドとCd塩あるいはCdのチオシアナート錯体を含む水溶液を使用することによりlayer by layer型の結晶成長が進み、(001)配向の単結晶CdS膜が得られることを明らかにした。電気、光などにより制御可能な新しいタイプの磁性材料の開発については、コバルト・鉄シアノ錯体薄膜を電気化学的に合成し、酸化・還元、イオン交換、熱、光により磁性を制御できることを見出した。また、フェリ・フェロ混合磁性膜であるクロム・鉄シアノ錯体薄膜が着色透明の性質をもち、強いファラデー効果を示すことを見出した。半導体電極上のダイナミクスについては、電極反応の進行に伴って現れる種々の時空パターンを空間分解・時間分解で直接追跡する手法の開発を試み、電極近傍の液の流動を可視化することに成功した。
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