研究概要 |
本研究は、アルミニウム上に生成するアノード酸化皮膜中にTiO_2,Ta_2O_5,Nb_2O_5などを混入させ、これらとAl_2O_3との複合酸化物を形成することにより、誘電率の大きな酸化物皮膜を形成し、新しいタイプのアルミニウム電解コンデンサーの開発を目指しているが、本年度においては、CVD/アノード酸化を組み合わせた方法により、この複合酸化物皮膜の生成を試みた。得られた主な研究成果は、次のようである。 1.TiO_2をCVDにより、温度300°Cおよび400°Cに保ったアルミニウム上に形成すると、TiO_2皮膜の成長速度は温度が高いほど大きい。また、生成した皮膜は多孔質であり、無定型である。 2.TiO_2皮膜をコーティング後、400°Cで空気雰囲気中加熱処理を行うと、TiO_2は結晶化してアナターゼ型の結晶構造を示す。 3.TiO_2皮膜をコーティングした試料を、中性のホウ酸塩溶液中で定電流アノード酸化を行うと、TiO_2皮膜/素地金属界面に二層構造を示す酸化皮膜が生成する。外層は、Ti/Al-複合酸化物層であり、内層はAl_2O_3層からなる。 4.CVD/加熱処理/アノード酸化により得られた複合酸化物皮膜は、通常のアノード酸化により得られる皮膜に比べて約65%大きな電気容量を示す。
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