研究概要 |
本研究は,典型元素どうしが結合した「インターエレメント結合」の本質を有機化学的な観点から総括的かつ系統的に研究することによって解明し,既存のいずれの領域にも属さない新しい化学の領域を確立することを目的として発足した.第1班「インターエレメント飽和結合の化学」,第2班「インターエレメント不飽和結合の化学」,第3班「典型元素-遷移金属間結合の化学」,第4班「インターエレメント化合物の新機能開発」の四つの重点項目のもとに,計画研究班員20名,公募班員55名に加え,評価班員9名および研究協力員(班友)11名からなる,研究体制を組織し,研究遂行にあたってきた.総括班は評価班員9名と研究実施班員(班長)4名で組織されており,下記のような活動を行い,各班の研究の実施および評価と総括を行った. (1)第1回公開シンポジウムを国際シンポジウムと研究計画発表会として平成9年6月に京都で,第2回公開シンポジウムを平成10年1月に東京の学士会館で開催し,活発な討論が繰り広げらた.(2)総括班では海外から3名の学者を招へいし,これらのシンポジウムや研究機関への訪問を通して本研究の重要性を国の内外に発信するとともに,本研究の活性化に努めた.(3)新研究テーマ「新規インターエレメント結合への挑戦」および「班員間の共同研究」の募集や「研究室相互訪問」の推奨などを実施した.(4)広報第1号「班員名簿・研究概要」(平成9年6月),第2号「班員の研究活動状況」(平成10年1月),国際シンポジウム講演要旨集(平成9年6月),および第2回公開シンポジウム要旨集(平成10年1月),を発行し公表した.(5)総括班ではさらに,不安定分子迅速X線結晶構造解析装置(理学 R-AXIS IV 型,IP方式)を京都大学化学研究所に,低温測定核磁気共鳴装置(バリアン,300MHz)を大阪市立大学工学部に導入し,班員の共用に供する体制を整えた.
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