研究課題/領域番号 |
09240103
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瓜生 敏之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80011005)
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研究分担者 |
則末 尚志 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10028227)
小宮山 真 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50133096)
大内 辰郎 関西大学, 工学部, 教授 (60067650)
重政 好弘 鳥取大学, 工学部, 教授 (00032029)
戸倉 清一 関西大学, 工学部, 教授 (10101891)
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キーワード | 抗エイズウイルス活性 / カードラン硫酸 / 燐酸化キチン / PEG-キトサンハイブリッド / アセチルガラクトサミン / Ce(IV) / グルカミン複合体 / DNAオリゴマーの切断 / α-1,3-グルカンの抗腫瘍活性 |
研究概要 |
抗エイズウイルス活性を有するカードラン硫酸は、エイズウイルスのエンベロープ糖タンパク質gp120の塩基性アミノ酸の集中部位とイオン相互作用を行うことによって、その活性を発現するという仮説を立証しようとした。gp120の506-518番目のアミノ酸シーケンスを作り、それとカードラン硫酸を混合することによって生成するゲルのNMRは、2つの高分子が互いに相互作用していることを示した(瓜生分担)。キチンを燐酸化して作った燐酸化キチンとアルギン酸の混合物を紡糸し、組成の異なる燐酸キチン混合糸を得た。医用材料への応用に際して重要な因子である結節強度は比較的高かった。また、燐酸化キチンは血液凝固性とカルシウムイオン吸着性を有していた(戸倉分担)。ホルミル化ポリエチレングリコール(PEG)を先ず作り、これをキトサンと反応させて、PEGの分子量と導入率の異なるPEG-キトサンハイブリッドを合成した。置換度0.2以上の水溶性ハイブリッドは、zymozan存在下では全血中で化学発光応答を増幅させた(重政分担)。14Cラベル化アセチルガラクトサミン(NAPGA)は肝がん細胞組織に高い集積性を有することを見出し、NAPGAは肝がんをターゲットとするドラッグ・キャリアとして有用であることが分った。制がん剤のドキソルビシン(DXR)を担持したNAPGA/DXRは、肝がん細胞移植マウスに対してDXRそのものよりも高い延命効果を示した(大内分担)。DNAの加水分解能を持つCe(IV)イオンを糖分子と複合化させたCe(IV)/糖複合体のうち、Ce(IV)/グルカミン複合体は、DNAをかなり大きな速度で加水分解した。次に、糖-DNAハイブリッドとランタニド金属イオンを用いてRNAおよびDNAオリゴマーの切断を行ったところ、ターゲットRNAをDNAと2本鎖形成させることにより、RNAの1本鎖部分のみを位置特異的に切断することに成功した(小宮山分担)。霊芝から抽出したα-1,3-グルカン、ヒアルロン酸、およびサクシノグカンの構造決定を行った。このα-1,3-グルカンはβ-1,3-グルカンよりも低い抗腫瘍活性を示したのは、ヘリックス構造を誘起しないα構造を取るためと推定される(則末分担)
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