研究課題/領域番号 |
09240105
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 一清 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10023483)
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研究分担者 |
宮本 武明 京都大学, 化学研究所, 教授 (60027050)
楠本 正一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30028253)
原田 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127282)
明石 満 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20145460)
秋吉 一成 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90201285)
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キーワード | 糖鎖 / 高分子 / 分子認識 / 集合体 / 生体機能材料 |
研究概要 |
(小林)水晶発振子を用いて、単糖、2糖、3糖および5糖結合ポリスチレン型糖鎖高分子の吸着挙動を解析した。2糖結合ポリスチレン型糖鎖高分子が特に強く疎水性表面に吸着することが分かった。GM3単分子膜の表面圧一表面積曲線の解析から、Gb3糖鎖結合ポリスチレンの水溶液中が、GM3糖鎖とGb3糖鎖の間で強い分子間結合が働いていることを見つけた。(秋吉)シクロデキストリンの分子認識により、疎水化多糖の水中での会合を可逆的に制御できることを見つけた。蛋白質との相互作用を制御し、分子シャペロン類似機能を発現するシステムを開発した。ガラクトース残基修飾疎水化プルランに抗ガン剤ネオカルチノスタチンクロモフォアを取り込ませたナノ微粒子が、ガラクトースレセプターの存在する細胞系においてのみ高い細胞毒性を示し、薬物運搬体として有効に機能することが分かった。(宮本)ニトロキシルラジカルを用いたリビングラジカル重合法により、糖含有スチレンおよびアクリレート誘導体の規制重合を行った。また、構造の明確な単分散糖鎖高分子を親水性部位に有する新規糖脂質を合成することに成功した。さらに、銅錯体を触媒としたリビングラジカル重合法により、糖含有メタクリレート誘導体の規制重合が可能であることを明らかにした。 (楠本)チオグリコシドを用いる選択的糖鎖形成反応と、選択的に除去可能な種々の保護基とを活用して、ヘパリンの部分構造に相当する二糖、三糖ならびに二糖の集合体を合成した。これらの合成糖鎖誘導体と血小板の結合能を精密に調べて、結合に関与する構造要因を解析した。また加水分解酵素の糖転移活性を利用する糖鎖合成法の効率化を試みて、数種のニトロピリジル誘導体がドナーとして優れた性質を有することを見出した。 (原田)シクロデキストリンが親水性のポリマーだけでなく、ポリイソブチレンやポリエステルなど疎水性のポリマーとも包接錯体を形成することを見いだした。この際、ポリマーが水に不溶のためにポリマーを加熱し、融解させた後、シクロデキストリンの水溶液を加え、超音波を照射して錯体を得た。(明石)ポリNVAを加水分解して表面にアミノ基を誘導し、ラクトースラクトンと反応させることにより表面にガラクトースを有するポリスチレンナノスフェアを合成した。糖結合ナノスフェア上の糖鎖認識性をレクチンタンパク質RCA120を用いて、粒子凝集による濁度変化および、Enzyme Linked LectinAssays(ELLA)法によって評価した。
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