研究課題/領域番号 |
09241105
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
福井 萬壽夫 徳島大学, 工学部, 教授 (70035632)
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研究分担者 |
国府田 隆夫 日本女子大学, 理学部, 教授 (50010715)
原口 雅宣 徳島大学, 工学部, 講師 (20198906)
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キーワード | 二次元コロイド単層膜 / 全反射減衰法 / エバネッセント光 / 等価屈折率 / ウォークオフ / 自己組織法 / ポリスチレン球 / 伝搬モード |
研究概要 |
エバネッセント光とポリスチレン球から成る二次元コロイド単層膜との相互作用を解明するためには、実験上次の2点の問題があった。(I)球径数μm以下のポリスチレン球をきれいに並べられる面積は高々0.04mm^2である。(II)全反射減衰(ATR)法による測定時に、入射角により測定位置が数mmほど動いてしまい(ウォークオフ)、コロイド単層膜上の一定位置の測定ができない。そこで、(a)ATR法を用いてエバネッセント光とコロイド単層膜との相互作用を正確に実験観測する方法と、(b)大面積のコロイド単層膜を作製する技術を確立することを本年度の目的とした。 (a)についてはレーザパワーコントローラにより測定光強度の揺らぎを抑制し、さらにマイクロスコープとパルスステージの組み合わせでウォークオフ調整を実行できる方法を確立したので、当初の目的が達成された。また、金膜上の二次元コロイド単層膜試料に対して角度スキャンATRスペクトルを測定し次の結果を得た。(i)TM偏光でATR信号に共鳴吸収が生じ、TE偏光では共鳴吸収は現われない、(ii)共鳴吸収はスラブ導波路を伝搬するガイド光によって生じているかのような特性を示す、(iii)m-line法によりコロイド単層膜の等価屈折率と光学膜厚を求め、ATR信号の理論計算との比較により共鳴吸収はガイド光に似た性質の伝搬モードよって生じていると推定した、(iv)理論計算と一致しない共鳴吸収があることからスラブ導波路でのガイド光に似たモードによらない共鳴吸収が生じる。 (b)に対しては、球径0.46μm〜5.15μmのコロイド単層膜の自己組織法による成膜方法の改善(流動配向法、水平移動法)とその条件の最適化にほぼ成功し、きれいに配列される面積がこれまでの4倍を超えるものが得られるようになった。
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