研究課題/領域番号 |
09241209
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
辰巳 仁史 名古屋大学, 医学部, 助手 (20171720)
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研究分担者 |
片山 芳文 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (20014144)
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キーワード | 近接場光 / GFP / チューブリン / イメージング / 細胞培養 / エバネセント光 / シナプス / 神経細胞 |
研究概要 |
研究法の開発と結果 近接場光を応用した高解像度観察と分子反応の制御が最も必要とされる領域の一つに、生体機能分子の観察と制御があげられる。 平成9年度の本重点領域研究から、全反射モードの近接場顕微鏡を構成することができた。培養細胞で発現した蛍光シナプトタグミンを、生きた細胞の中で、全反射型近接場光顕微鏡で観察ができることを示すことができた。すなわち、青色のエバネセント光(厚さ200nm)でテュ-ブリンを近接場光のなかで観察することができた。また細胞内の極めて限局した蛍光シナプトタグミンを励起し蛍光観察可能であった。 1)これまでの本重点領域の研究(平成9年度)から、テュ-ブリンを近接場光のなかで観察することができた。そのための実験条件を検討した。近接場光のなかで観察されるテュ-ブリンは背景の迷光がないために非常にシャープな映像を得ることができた。この近接場光による分子の映像は通常の蛍光顕微鏡とは異なる分子の状態の情報を持っていると考えられる。近接場光映像から分子の状態を読み取るとこがこれから必要になると考えられる。 2)光る蛍光蛋白分子シナプトタグミンを生きた細胞で発現し、近接場光によるイメージングができることがわかった。培養神経細胞PC12(細胞株の名称)に、蛍光を発するように遺伝子改変が行われたシナプトタグミンを遺伝子導入した。この蛍光を発する蛋白分子をもつ細胞を全反射型近接場光顕微鏡にセットして観察を行った。近接場光による細胞の励起では、細胞の膜からわずかに200nm以下の蛋白分子が蛍光励起された。このわずかな光の層にある蛋白質分子、あるいは蛋白質分子の集合が近接場光イメージングした。細胞を興奮するように化学的な刺激を与えると、斑点状に蛍光が変化することが見出された。
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