研究課題/領域番号 |
09242102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平賀 賢二 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30005912)
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研究分担者 |
大嶋 健一 筑波大学, 物理工学系, 教授 (70109271)
進藤 大輔 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (20154396)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 相変態 / X線回折 / エネルギーフィルター / エネルギー損失分光法 / 準結晶 / マルテンサイト / 散漫散乱 |
研究概要 |
研究成果は以下のようにまとめられる。 1)汎用の透過電子顕微鏡にオメガ型のマグネットを導入し、エネルギーフィルタリング電子回折法を確立した。これにより、非弾性散乱に伴う電子回折図形のバックグラウンドが軽減でき、これまで解析が困難であった相変態に伴う弱い散漫散乱の強度変化を定量的に評価することができた。具体的には、Ti50Ni48Fe2のマルテンサイト変態の前駆現象をエネルギーフィルタリング電子回折法と暗視野その場観察法により解析し、横波の変位波を伴うマイクロドメインの存在とその成長過程を初めて明らかにした。また、Cu3Pdにおいては、エネギーフィルタリング電子回折法を用いて短範囲規則度を決定することができた。 2)物質中に必ず存在する構造揺らぎ、乱れは相変態の挙動に様々な影響を及ぼすことは古くから知られている。最近では動的な相の核生成、成長をミクロ的に調べる必要性が出てきた。我々は1/100度の精度のある温度制御装置と非常に感度の高いX線検出装置さらには強力X線源の組み合わせにより、代表的な一次相変態を示すAu-Cd合金単結晶からのX線回折強度、散漫散乱強度の温度変化、時間変化から動的観測を行った。その結果、この合金の相変態の機構は低温相の核が表面から発生し、徐々に内部に成長すると思われる。 3)高分解能電子顕微鏡法の新しい手法であるhigh-angle annular detector dark-field scanning transmission electron microscopyを正10角形準結晶の構造解析に応用し、NaCl-型、CsCl-型規則準結晶の構造の存在を明らかにすると共に、それらの構造を明らかにした。
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