研究課題/領域番号 |
09242106
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小岩 昌宏 京都大学, 工学研究科, 教授 (00005860)
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研究分担者 |
松原 英一郎 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90173864)
長村 光造 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026209)
石田 清仁 東北大学, 工学研究科, 教授 (20151368)
沖 憲典 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (70037860)
中嶋 英雄 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30134042)
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キーワード | 拡散型相変態 / 規則-不規則変態 / 金属間化合物 / 組織制御 / 拡散機構 / 時効析出 / 界面構造 / 金属ガラス |
研究概要 |
本特定領域計画研究A03では、(1)拡散型相変態の基本的素過程である合金の規則-不規則変態や相分離を平衡論と動力学の両方の立場から解明し、(2)母相-生成相異相界面の易動度の支配因子である原子拡散機構や界面原子構造を解析することにより、拡散型相変態の微視的レベルでの有用な知見を得ることを主な目的として、I.拡散機構、II.微視的機構と組織制御、III.異相界面の形態・構造と変態機構を3つの柱に研究を推進している。平成10年度の主な研究実績の概要をカテゴリー別に以下に整理して述べる。 I.拡散機構: 将来の高温構造材料の1つとして注目されているNi基金属間化合物Ni_3Ga、Ni_3Ge、Ni_3Alの拡散係数の測定結果を基に拡散機構を考察した。また、新しいバルク金属ガラスの熱的安定性を理解するために、過冷却融体領域での自己拡散係数の温度依存性を測定し、構成原子の集団運動による拡散機構を提唱した。 II.微視的機構と組織制御: FePd合金の規則化やAl-Ag合金の析出組織に及ぼす応力配向の影響を明らかにした。また、αCu-Al合金の短範囲規則過程を解析し、合金元素の拡散と規則化の2つのプロセスの競合により相変態過程が決まることを見出した。さらに、InP基板上成長させたInGaAs混晶のCuAu-I規則化機構を原子間ポテンシャル計算により解析した。 III.異相界面の形態・構造と変態機構: 多相拡散対に形成される異相界面の形態安定性を決定する因子を明確にするため、Ni基スーパーアロイやその表面コーティング材として実用的にも重要なNi-Al系におけるγ'、β相からなる多相拡散対に形成されるγ'/β界面組織を観察し、組織の安定性を調査した。また、Tiクラッド材に関連して重要なTi-X系におけるα、β相からなる多相拡散対における異相界面組織を観察し、組織の安定性を評価した後、その組織形態の違いについて熱力学的視点に立った解析を試みた。
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