研究課題/領域番号 |
09243101
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研究種目 |
重点領域研究
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
大谷 朝男 群馬大学, 工学部, 教授 (10008469)
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研究分担者 |
田邊 靖博 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (70163607)
小林 和夫 長崎大学, 工学部, 教授 (30225495)
菱山 幸宥 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (90061499)
光来 要三 九州大学, 機能物質研究所, 助教授 (50122693)
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キーワード | カーボン / カーボンアロイ / 機能 / 活性炭素繊維 / 分子集合組織 / ホウ素ドープ / 耐酸化性 / 高配向黒鉛体 |
研究概要 |
大谷はフェノール樹脂(炭素前駆体樹脂)とポリビニルブチラール樹脂(気孔形成樹脂)のポリマーブレンドを熱処理することで、賦活工程を使用しない多孔性炭素繊維の調製の可能なこと、さらに気孔形成樹脂中に白金化合物を溶解した後に同様の手法を用いることで、細孔表面に選択的に白金を担持しうる可能性を立証した。光来はメソフェーズピッチ系炭素繊維中に生じるプリ-ツ構造の生成機構を概略明らかにした。即ちメソフェーズピッチの不溶分ミクロドメインが紡糸時に応力を受けてプリ-ツ構造骨格を形成し、その後の炭化によって、不溶分表面を被覆している可溶分が不溶分の形状に従って収縮してプリ-ツとフィブリルを発達させる。菱山は“母合金による高温拡散法"という黒鉛へのホウ素のド-ピング法を確立した。この新規な方法はホウ素化合物粉末と黒鉛結晶粉末を混合し、その中にド-ピングすべき黒鉛試料を埋没、ついで高温処理するものである。X線回折の結果からホウ素による置換固溶を確認し、さらに置換ホウ素量に飽和傾向のあることも実証した。小林は、ホウ素あるいは希土類元素を蒸着したポリイミドフィルムを積層、高温処理して黒鉛成型体を製造することに成功し、これが高い結晶性を有することをX線構造解析により示した。積層層間の履歴が若干残存しており、この解消が残された課題である。田邊は、高温まで安定な化合物を形成し、かつ炭素と反応しにくい元素の化合物を少量添加すると炭素材料の耐酸化性が著しく向上することを報告してきたが、それに対して2つの機構の存在を明らかにした。1つは酸化タンタルのように細孔表面積の減少をもたらすもの、他は酸化チタンのように活性点の減少をもたらすものである。
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