研究概要 |
(a)原料カーボンコイルの合成:Ni粉末を触媒とし、アセチレン+H_2 +N_2 +チオフェン)混合ガスを750-770℃で熱分解して合成した。コイル径:1-10μm,コイルピッチ:0.1-0.5μm,コイル長さ:1-10mmのコイルが得られた。(b)TiCマイクロコイル/パイプの合成:カーボンコイルをTiCl_4 +H_2雰囲気下、900-1200℃で気相チタナイジング(拡散処理)することにより、そのコイル形態を完全に保持したまま、TiCファイバーが得られた。反応条件(反応温度、反応時間)を制御することにより、その表面の一部のみ、あるいは芯まで完全にTiC化したTiCマイクロコイル/パイプが得られた。(c)TiNマイクロコイル/パイプの合成:(間接合成法):TiCコイル/パイプを、N_2 +H_2雰囲気中1000-1500℃で加熱処理した。反応時間と共にTiCのCはNでおきかわり、1200℃、2時間後には完全にコイルの芯まででTiNに変化した。(直接一段合成法):カーボンコイルをTiCl_4 +N_2 +H_2雰囲気中、1000-1500℃で処理した。1000℃で処理して得られたTiNコイルのX-線回折図には、いずれに反応時間でもTiCのピークは観察されずTiNの鋭いピークのみ観察された。したがって、コイルは、TiCを経由してTiN化されるのではなく、直接メタライジング/窒化同時反応が進行して、TiNに変化するものと考えられる。反応条件を制御することにより、カーボンコイルの芯まで完全にTiN化できる。(d)SiCマイクロコイルの合成:SiCl_4 +H_2雰囲気中、1530℃で、1-10時間シリコナイジングした。いずれの反応時間でも表面に著しいSiC結晶粒の成長が観察された。カーボンコイル上に析出したSiC層の膜厚は、1530℃、1時間の処理では、約0.5μmであった。これは、グラファイト板の場合の1/200,市販の炭素繊維の1/4であり、カーボンコイルは非常にSiC化されにくいことが分かった。この理由は明らかではない。
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