研究課題/領域番号 |
09246102
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
相原 博昭 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60167773)
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研究分担者 |
長島 順清 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90044768)
羽澄 昌史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20263197)
田島 宏康 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (80222107)
金行 健治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30224629)
渡辺 靖志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40126199)
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キーワード | Bファクトリー / CP非保存 / 半導体検出器 / ピクセル検出器 / 小林・益川理論 / 集積回路 |
研究概要 |
KEKのBファクトリーは、平成11年6月に最初のハドロン事象を観測した。本研究グループは、平成9、10年度にわたって開発してきたデータ解析ソフトウェアを用いて、直ちにB中間子崩壊の検出を開始し、これまでに次のような結果を得た。 (1)第一世代のシリコンストリップ検出器の位置分解能を電子対散乱、ミューオン対散乱、および宇宙線事象を用いて測定した結果、r-phi方向約25μm、z向で約40μmの分解能を得た。これは、ほぼ設計どおり分解能である。(2)20000のハドロン事象から、22個のJ/Psi子を再構成した。このJ/Psi粒子の出現頻度は、平成9,10年度に開発したシミュレーションが期待する値とほぼ致しており、今後ハドロン事象の数が増えるとともに、順調にJ/Psi子を含むB中間子崩壊事象を収集することができると予想される。(3)B→J/Psi K+事象の有力な候補を特定することに成功し、J/Psi粒子とK-粒子の飛跡から、B+中間子の崩壊点を再構成することに成功した。これは、シリコン検出器のB→J/PsiKs事象の崩壊点を測定する能力を実証したことになる。(4)チャームクォークを含むD中間子の寿命について予備的な結果を得た。これらは、どれもB中間子におけるCP非保存現象検出のための重要なステップである。平成11年11月には、これらの結果の発表と検討を目的としたワークショップを東京大学山上会館において開催した。 さらに、半導体検出器読み出しICの耐放射線化のR&Dも進み、0.8μm技術によるICは、従来の1.2μm技術によるICの約4倍の耐性があることがわかり、次期検出器用に量産を進めている。また、より耐性に優れると期待されている0.35μm技術によるICの設計と試作を行った。
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